2015年8月18日 (火)

ブログと、メールアドレス変更のお知らせ

長らくやってきた当ブログですが、このたび、八起堂治療院のホームページに統合することにいたしました。 

新しいブログのリンクは、以下のとおりです。 
 
 
これまでに作成した分のデータは、当分はこのまま残しておき、そのまま見られるようにしておきます。
 
また、メールアドレスもこの機会に変更することといたしました。新しいアドレスは、
 
hakkidou.tam@gmail.com です。
 
こちらも、移行期間として古いメールアドレスも当分の間、使えるようにします。
 
ご覧くださっている皆様、どうぞよろしくお願いします。
 


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2015年6月11日 (木)

腰痛の治し方 ~「習慣性緊張仮説」から

 私が治療を始めた十数年前は、腰痛の患者さんが治るまでに、2,3回は治療したものです。しかし最近は、かなりの患者さんの痛みが、一回で改善するようになってきました。
 
 もちろん経験の長さもあると思うのですが、大きな理由は、腰痛の原因を「習慣性緊張」と考えるようになったことです。
 
●腰痛は「抜けない緊張」
 
 「習慣的緊張仮説」については以前も書きました。
 脳は、エネルギー消費を節約するため、筋肉のオン・オフ操作を省略する傾向がある。そのため緊張させることの多い筋肉は、緊張したままになりやすい、という仮説です。
 
 いつも前かがみでいるなど、筋肉を長く緊張させていると、緊張が習慣になり、脱力できなくなります。緊張したままの筋肉は血行が妨げられ、やがて痛みが出ます。痛むことによって緊張が進行、ますます痛むという悪いサイクルの繰り返し。それが習慣的緊張仮説による腰痛の説明です。
 
 治療は、緊張をゆるめてやること。筋肉と神経をリセットし、動きを取り戻します。
 
 この治療は、とくに慢性の腰痛によく当てはまるようですが、急性腰痛(ぎっくり腰)も緊張から出た痙攣と考え、同様の治療を行っています。
 
●治療の方法
 
 腰痛を起こしている方の腰椎は、5個の椎体と仙骨が一本の棒のように固まっています。椎体間を結んでいる筋肉が緊張しすぎて、動けないのです。
 
 そこで、鍼やマッサージで、腰周辺の筋肉を徹底的に緩めます。
 強すぎる刺激は、緊張を増す原因となるので、強い圧迫や揉捏は逆効果(ブログの「指圧は強すぎると効かない」を参照)。筋肉の隙間から組織をほどく方法を用います。
 
 ついで、掌で圧迫しながら腰椎を操作し、個々の腰椎間の緊張をゆるめ、動きを取り戻してやります。
 
 重要なのは「腰椎の柔軟性を取り戻す」こと。
 一本の棒のようになっていた腰椎~仙骨が、それぞれに動くようになれば、腰全体に弾力が出てきます。腰椎間の動きが回復する頃には、ほとんどの痛みがとれています。
 
 もちろん、仙腸関節・股関節・膝・足関節の調整も忘れません。
 
 全ての腰痛が習慣性緊張によるものではありません。
 ただ、原因についての考察を増やすと、治療の選択肢も増えます。一つの選択肢として、記憶にとどめておいて損はないでしょう。
 

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2015年5月14日 (木)

2015年5月13日 ためしてガッテン「最新ねんざ治療」

 今回の「ためしてガッテン」は、ねんざ後遺症の話でした。捻挫をきちんと治さないと、30年経ってから急に痛みや異常を起こしたりするという話でした。
 
■ねんざ後遺症を防ぐ、治療の方法
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 捻挫で一番傷を受けやすいのは、前距腓靭帯という、外くるぶしから斜め前に走る短い靭帯。これが伸びていたり、切れていたりすると、体重が足の外側にかかるようになり、軟骨が減ったり、膝や股関節が悪くなってくるということでした。
 
 つまり、前距腓靭帯をしっかり治療し、腓骨筋群でサポートすることが必要という話です。治療としては
 
①ねんざを起こしてから、痛みが引くまで2,3日
 この間は、炎症を起こしているので、腫れて痛みます。
 
②切れかけた靭帯を回復させるために、2週間程度の安静期間
 靭帯に修復材料となるコラーゲンが沈着するための時間
 
③リハビリトレーニングを四週間
 動かすことで靭帯のコラーゲンを整え、筋力を強化する。
 
 の、計一ヶ月半の治療期間が必要だということ。
 とくに、前距腓靭帯をカバーし、鍛えるために腓骨筋群という筋肉群を強化することが必要としています。
 そのトレーニングは、足の親指付け根に体重をかけて(紙やコインを置いて、目印にします)、踵を上げ下げするというものでした。
 
■余分な癒着にも注意!
 
 ねんざに後遺症があるというのは、八起堂治療院の長年の主張です。
 
 もちろん、受傷した前距腓靭帯を十分に回復させるのは大事なのですが、もう一つ付け加えたいのは、固定による関節の固さを解消する必要性。
 固定によって関節が動く範囲が狭くなっていることがあるのです。
 
 とくに多いのが、足の内くるぶし近辺の癒着。
 つま先を伸ばした時に、足先が変に内側に入って行ったり、十分に挙げることができなかったり。
 もちろん、この関節固定でも体重のかかり方が変わるので、足関節、膝関節、股関節にまで悪影響が及びます。
 
 先ほどの手順で言うと、安静の二週間が終わってからは足関節が動く範囲を広げるリハビリも十分に行って欲しいと考えます。
 
 自分で出来る方法についてはこちらを。
 「自分で足を治す、TAMストレッチ」
 
 捻挫の後、何ヶ月、何年も過ぎると、自分で柔らかくするのは難しくなることも。そんな時には、どうぞご相談下さい。

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2015年4月16日 (木)

変形性関節症治療に関する考察

 医学書で「変形性関節症」を見ると、初期段階が「関節に変形がないが、痛む状態」とあります。考えてみれば不思議な話です。なぜ、すり減っていないのに痛むのでしょうか?
 
■関節摩耗の原因は、不正荷重にあり
 
 そもそも、関節がどうして摩耗するのでしょうか?
 突発性の関節軟骨壊死(原因不明)を除けば、関節の一部だけに力がかかる、不正荷重によるものが多いのです。
 
 関節に不正荷重を与える原因は、大きく分けて2つあります。
 
 1つは、アライメントの狂いからくる、力線のズレ。例えば、足関節の歪みが変形性膝関節症の原因になるようなケースです。
 
 2つ目は、筋肉そのものの緊張。
 肩、膝などの関節は、筋肉によって支えられ、安定しています。しかし一部の筋肉が緊張していると、骨が引っ張られて関節の運動中心がズレ、関節の荷重に偏りが生まれます。
 
 八起堂治療院では、五十肩の発生原因を、このような筋力の不均衡であろうと考えて治療しています(筋肉の習慣的緊張仮説)。
 
■筋肉そのものが原因の場合
 
 偏った荷重は、周辺組織(靭帯、関節包、歪みを支える筋肉)にも負荷をかけているはず。とすれば、関節軟骨がすり減るよりも早く、神経が多く敏感な周辺組織から痛みが始まる可能性は高いでしょう。
 また、強く緊張した筋肉は、それ自体も痛みを起こします。
 初期段階の痛みは、関節軟骨よりも、こうした周辺組織によるものが多いと考えられます。
 つまり、痛みが始まった段階ではまだ摩耗が少なく、回復可能なはず。関節の不正荷重を正すことが、治療の第一歩になります。
 
■鍼灸マッサージにできること
 
 初期の変形性関節症(関節炎)では、荷重バランスをとり、緊張しすぎた筋肉を元に戻してやることで進行を止めたり、治療できることになるでしょう。患者さんの立ち姿、動き方の観察から力線の狂いを見て、修正するわけです。 それは鍼灸やマッサージの得意分野でもあります。
 
 この分野については、さらに研究してゆこうと考えています。

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2015年4月 7日 (火)

子供の体が固くなった

 4月6日のNHK「あさイチ!」で「子供の体に異変!」というテーマを扱っていました。昔に比べて、今の子供はケガをしやすくなっているというのです。
 
1.子供の関節が固くなっている

Korobu_kodomo  筋力が足りなかったり、反射神経が上手く機能しなかったり。大人のロコモティブ症候群をもじって「子供ロコモ」という用語もできはじめたといいます。
 
 とくに問題になっているのは、関節が固いこと。動く範囲が狭く、十分に曲がらないために、ケガをしてしまうとのこと。
 
 番組では、5項目のチェック項目が挙げられていました。

・手首を上下に曲げ、甲側に70度、掌側に90度曲がるか
・腕を上げた時、耳の後ろまでいくか
・床に踵をつけたまましゃがめるか
・前屈して、指先が床につくか
・片足で5秒以上立てるか
 
 一つでもできない場合は、問題があるとのことでした。
 
2.原因は生活の変化
 
 こうした変化の原因は、昔よりも身体を動かすことが減っていることだそうです。以前は、和式トイレにしゃがんだり、水道の蛇口を力を入れて動かすことが多かったので、自然に体を動かしていたとのことです。 
 
 八起堂の個人的な意見としては、コマ回しやメンコなど、力と技が必要な昔遊びが減ったことも原因ではないかと思っています。
 
 ただ、この問題は生まれつきのものではなく、単に身体を使う機会が少ないことによるもの。気づいてからでも、意識して鍛えるようにするだけで回復してゆくそうです。お手伝いでも外遊びでも、いろんな形で遊ぶ機会を増やしてやりたいものです。
 
 
3.我が家の話

 私の小学生の頃は、前屈しても指先が床につきませんでした。先ほどの基準で見ると、子供ロコモでしたね。実際、身体をよく動かすようになったのは大人になってから。小学生の頃よりも、今のほうが身体が柔らかいです。
 使う間に改善するという、実験台になったようなものですね。
 
 なお、手足の動きに左右差があったり、極端に固かったりする場合は、関節に引っかかりがあることもありますので、注意して下さい。
 
 うちの娘も幼稚園児のころ、原因はわかりませんが左右の足で可動域に差がありました。歩くときもちょっと傾いて歩いていたものです。それに気づいてから、数回の調整を経て(得意分野!)、左右均等に動くようになりました。
 
 お子様の手足の動きに左右差が有って気になるときには、ご相談下さい。

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2015年3月31日 (火)

強すぎるストレッチも効かない

 前回書いたように、強すぎる指圧は、かえって筋肉を緊張させます。
 強すぎる力は筋肉に「攻撃されている」という感覚を与え、防衛反応を起こさせるからです。
 この仕組は、ストレッチでも同じです。
 
■ストレッチが効く理由
 
 ストレッチが効くのも指圧と同じです。引っ張られて張った筋肉が「もしかして俺、緊張してるんじゃね?」と感じて信号を脳に送り、弛緩するというシステムです。ここで強く引っ張りすぎると、筋肉は防衛的に緊張して縮んでしまいます。
 やはり、少し張っているくらいの状態を長時間キープするのが効きます。
 
 子供の頃、アキレス腱伸ばしとしてやっていた、リズミカルにかかとを弾ませる方法も、その意味では逆効果です。
 
 ストレッチの効果は、緊張を緩められなくなった筋肉の感覚をリセットして、緩みやすくすること。その意味では、寝る前などに行うのがよいでしょう。
 アロンガメント・ジナミコの回で書いたとおり、運動の前に行うのは良くないようです。
 
■もう一つのストレッチ
 
 筋肉の緊張ではなく、筋膜(筋肉の表面を包んでいる膜)や、靭帯の短縮を引き伸ばすためのストレッチもあります。この場合も、強すぎる力はかけず、長い時間をかけてひっぱります。
 
 ただ、このタイプのストレッチを行うには専門知識が必要です。筋膜リリースなどを行える治療院で受けられることをおすすめします。

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2015年3月18日 (水)

指圧は、強すぎると効かない

 「強い指圧が好き」とおっしゃる方が、時々いらっしゃいます。Massage_ojisan
「強く押せば、それだけ効くはず!」
 と考えてのことなのですが、意外にも、強すぎる押しは、かえってコリを強くしてしまいます。
 
■指圧の目的は、反射
 
 そもそも、指圧はどうして効くのでしょうか?
 昔は、押すことで筋肉の中にある老廃物を押し出すのだ、と考えられていたこともありますが、筋肉はスポンジではないので…(笑)
 現代医学的には、指圧の効果の一つは、圧迫による神経の反射です。
 
 筋肉の中には、どれだけ緊張しているかをモニターする神経が通っています。いわばセンサーですね。そして緊張しすぎれば「緊張してるぞ!」という報告を脳に送るので、脳は緊張をゆるめます。
 ところが、肩こりを起こしている人の筋肉では、そのセンサーの働きが鈍くなっています。かなり緊張しているのに、緩めろという信号が出ません。
 
 そこで、指圧の登場です。押して力を加えることで筋肉のセンサーを刺激して、強く緊張しているという感覚を与えます。すると、脳はその報告に反応して緊張を緩めるのです。
 
 で、どのくらいの強さがその反射を起こすのに必要か。
 私が普段使っているのは、沈んだ指が筋肉に触れて、軽く押しこむ程度。きちんとしたポイントに当たっていれば、それだけで患者さんは軽い痛みを覚え、緊張が解けてきます。
 その反応は、指がゆっくり沈んでゆくのがわかるくらい。
 
 
■強すぎる押しは、筋肉を緊張させる
 
 先程も書いたように、押す目的は、筋肉のセンサーを反応させること。センサーが反応する以上の力は必要ありません。
 押す力が強すぎると、筋肉のセンサーは攻撃されたと感じます。すると、潰されないようにと、かえって緊張してしまうのです。
 
 それでも押しほぐそうと力を込めて揉むと、筋肉の組織を壊してしまうこともあります。
 マッサージを受けたあと、かえって痛くなる「もみ返し」は、こうした筋肉の損傷を示しています。組織を壊しているので、腫れ上がって固くなるのですね。繰り返すと、筋肉の組織がコブ状のガチガチに変化してしまい、戻らなくなることもあります。
 くれぐれも、強すぎるマッサージには注意して下さい。
 
■効くマッサージと、効かないマッサージ
 
 もちろん、軽く押して効かせるには、適切なポイントを押すことも必要です。
 意外なことですが、ポイントは固く盛り上がった部分ではなく、筋肉同士の隙間、凹んだところにあることが多いのです。なにせ、「ツボ」というくらいですから。
 ご両親などに親孝行をされるときには、ぜひ試して見て下さい。
 
 なお、このことは、店などでマッサージを受ける場合も大事です。
 固いところを直接ほぐそうと、力任せに揉んだり押したりする施術者や、強さ自慢をする施術者は上手くないと考えていいです。
 
 押すときも、押される時も、どうぞご注意を!

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2015年2月18日 (水)

現代人が肉を食べることの合理性

Yakiniku_family_2  前回、プロテインを飲むとダイエットになってしまうという話を書きました。
 人体の構造からいえば、欠かせないのはタンパク質だということが確認できたところで、肉について、思うところがありました。
 
■玄米菜食は、今も健康食か?
 
 昔から日本人は米をたくさん食べてきたから、それが身体に合っているのだ、という意見があります。
 確かに、昔の日本人は米と豆を中心にした菜食に少量の魚介類だけで重労働を行っていました。
 明治の始めごろ、外国人医師が「スタミナがつくだろう」と、人力車の車夫に肉を食べさせたという記録も残っています。車夫はあっという間にバテてしまい「こんなものを食べたら、身体が重くて走れない」といったそうです。
 
 それでは、今でも日本人には玄米菜食がいいのか? そう言い切るには、昔と今の生活は違いすぎるように思われます。
 
■ハムスターと回り車
 
 ペットショップで、ハムスターなどが回り車を回しているのを見たことがあるでしょう。彼らは、遊びで走っているのではありません。もちろん、ストレス解消のためでもありません。必要なタンパク質を得るために走っているのです。
 
 ネズミたちの食事は、穀類などの植物性食が中心。炭水化物が多く、タンパク質の含有量は少なめ。カロリーが足りたところで食べるのをやめると、タンパク質が不足してしまうのです。
 そこでたくさん食べて、走ることによって余分な炭水化物を消費してタンパク質を身体に蓄えるのが、ネズミの戦略です。
 
■昔の生活、今の生活
 
 昔の日本人も同じです。米中心の菜食ではタンパク質が不足しますので、必要なタンパク質が取れるまで大量に食べなくてはなりません。
 
 明治期、一人あたりの一日の米は、だいたい4合から5合とされていたようです。茶碗にして8杯から10杯分。米だけで2100~2700キロカロリーになります。実際には、それでもタンパク質が不足していたようですが…。
 
 菜食で十分なタンパク質を摂ろうとしたら、毎日3000キロカロリーを超える量の食事をしなくてはなりません。身体を動かさなくなった現代人がこの生活をすれば、確実に太り過ぎになります。我々現代人の生活には、昔の人よりも高タンパクな食事が必要だということ。
 現代人が肉を食べるのは単に贅沢ということではなく、栄養学上の根拠があったということになりますね。
 

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2015年2月12日 (木)

プロテインでダイエットしてしまった…

 先日、ロコモティブ症候群を防ぐプロテインが売られていた、という記事を書きました。実際、長生きしている人は食事から多くのタンパク質を摂取しているというデータが出ています。筋肉が増えて、足腰が弱りにくいのでしょう。

 

 で、こういう記事を書くと、やっぱり試してみたくなるんですね。

 使ったのは、オリヒロの大豆プロテイン360グラム。目についた中では一番安い品です。

  大豆タンパクなので、味の薄い黄粉のような感じで不味くはありません。牛乳に入れたり、ヨーグルトに混ぜたりします。

 主に足の筋肉がつくかを試したいので、軽いスクワットやジャンプなどのトレーニングをしました。

 

■プロテインを飲んで、感じたこと。

 

 意外なことですが、最初に感じたのは、食欲の減少でした。

 

 空腹感は血糖値が下がった時に感じるとされています。

 しかしカロリーが足りていても、各種ビタミン・ミネラルと必須アミノ酸が足りない時には、空腹感を感じるとのことです。 

 このプロテインはアミノ酸スコア(人体が必要とするアミノ酸と、どれだけ割合が一致しているかを示す指標)が高いので、アミノ酸が足りたことで満腹感が出たのでしょう。

 

 次に感じたのが、「身体が温かいな」という感覚でした。

 これには2つの理由があって、一つはタンパク質の消化吸収にはたくさんのエネルギーが使われるから(特異動的作用と呼ばれています)。もう一つは、筋肉が熱をつくりだすからです。

 

■プロテインダイエットは効くらしい

 

 さて。

 空腹感が減って、使われるエネルギーが増えると、どうなるでしょうか? 

 

 答え。

 痩せます

 

 気が付くと、ベルトの穴が一個ずれ、腹部の脂肪がペラペラになってました。やつれて見えたようで、妻に「病気?」と言われるようにまで。

 筋肉もいくらかは増えたようなのですが、どちらかというと脂肪が使われる割合が高かったようで、そちらのほうが目立ちます。

 

 調べてみると「プロテインダイエット」というすでに確立したダイエット方法があるんですね。とくに植物性プロテインを使ったダイエットは、モデルさんにも愛好者が多いとのこと(動物性は太りやすいという説も)。

 

 結果として、ロコモティブ症候群が防げるかどうかではなく、プロテインダイエットの実験をしたことになってしまいました。

 目的がずれてしまいましたが、何かの参考にはなるかもしれないので記事にしました。

 

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2015年2月 2日 (月)

仙腸関節の手技療法

Photo_12  昨日(2015年2月1日)の「駆け込みドクター」は、「ナゾの痛み解明スペシャル」でした。原因の分からない痛みの原因はなにか、という話です。
 内科的な話は専門外なので、番組最後に出てきた仙腸関節の話を。 
 
■仙腸関節は、体幹の動きを作る
 
Photo_9  骨盤は、左右の「腸骨」(いわゆる腰骨)と、脊椎の下端である「仙骨」の3つの骨で出来ています。その仙骨と腸骨の間にある関節が、仙腸関節。
 
 仙腸関節の動きは、大げさに言えば羽ばたき運動です。骨盤を蝶に見立てれば、仙骨が胴体、左右の腸骨が羽根。
 両方が同時に動けば、衝撃吸収。片方が上がって、もう片方が下がれば、身体を横に曲げるときの補助になります。 
 この仙腸関節、筋力の不足や緊張、無理な動きなどで、引っかかって動きが止まってしまうことがあります。そうなると身体、とくに腰椎に負担がかかって、腰痛を始めとした痛みの原因になります。
 
■仙腸関節の治療は
 
 仙腸関節の不調の多くは、仙骨が腸骨の間で落ち込み、靭帯が張り詰めることによって起こります。
 そこで、手技で腸骨と仙骨の位置関係を調整して動きを回復させる治療を行います。
 
 ただ、この調整はかなり微妙なものです。仙腸関節は身体の深い部分にある上、正常でも動く範囲がわずか数ミリしかありません。その動きを手で感知しながら、適切な強さ・方向の操作を行わなければ、かえって悪化させることも。
 
 ここだけの話、仙腸関節の調整を学び始めた頃は、練習仲間と治療の練習をして、みんな腰痛を起こしたりしました(笑)。
 さすがに十数年の経験を積んだ今では、失敗することはありません。
 
 痛みが出て間もない頃に治療すると、仙腸関節の動きを回復するだけですぐに治ってしまうことも多いです。
 症状が出てから長い人の場合は、身体が不調に順応してしまっているので、筋肉の調整も含め、症状が落ち着くまでに何回か治療が必要になります。

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2015年1月30日 (金)

緊張性頭痛の、意外な原因

 テレビ番組「あのニュースで得する人損する人」
 2015年1月29日のテーマの一つは、頭痛でした。
 
 頭痛は大きく2つに分けられます。
 1つは、肩や首の筋肉が緊張して頭痛を起こす「緊張型頭痛」
 もう一つは、脳の血管が急速に拡張することで痛む「偏頭痛」
 原因が違うので対処法も異なります。
 
 今回の番組で一番のお得情報は、この2つの頭痛の見分け方。
 お辞儀するように頭を下げ、顔を左右に細かく振るのです。痛みが悪化するようなら偏頭痛とのこと。
 
 偏頭痛は、血管の拡張が原因ですから、身体を温めたり、マッサージすると悪化します。頭を冷やしたり、横になっておとなしくしておくことで改善します。
 緊張性頭痛は、肩こりや首のコリによるものですから、お風呂で身体を温めたり、マッサージをすると、改善します。
 以上、番組ダイジェスト。
 
■緊張性頭痛の、意外な原因
 
 私達のところにいらっしゃるのは、肩こりによる緊張性頭痛の方が多いです。もちろん、マッサージをすることによって収まります。
 
 ほとんどの場合、緊張性頭痛を起こす原因は姿勢です。とくに縫い物、書きもの、スマホなど、下を向く姿勢を長時間続けることで首の筋肉を緊張させ、頭痛を起こしている方が多いのです。
 縫い物やスマホは、できるだけ高い位置で作業をすることで、発症を防げます。書きものに関しては、傾斜机がオススメ(→ 「姿勢が良くなる傾斜デスク」 )
 
 ところで、緊張性頭痛を繰り返す方の場合には、他に調べてほしい原因が2つあります。一つは、視力。もう一つは歯です。
 
 目が疲れている方は、なぜか首前面の斜角筋が強く緊張することが多いのです。そこから頭痛を起こしがち。
 歯の方は、虫歯や歯周病の痛みで上手く噛むことができず、片方だけで噛むときに、頭の横にある咬筋が緊張して起きやすくなります。
 
 マッサージに来て下さるのは大歓迎ですが、あまりに繰り返す場合には、まずこの2つの原因を確かめると解決するかもしれません。 
 

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2015年1月28日 (水)

みんなの家庭の医学2015年1月27日 冷え性

■番組内容
 
 冷え性は、自律神経の交感神経が優位になることで血管が収縮して起こる。
 熱すぎる風呂、長すぎる風呂は、かえって交感神経を活発に働かせて、冷え性を加速させるという。
 
 気持ち良いくらいの、ぬるめの風呂に15分くらい。出る前には半身浴にして、急激な温度変化を避ける事で自律神経の負担が減り、冷え性が良くなる、としていました。
 
■感想
 
 手足の冷え性には、今回の番組のように優しく対処して副交感神経を優位にする方法のほか、スパルタ的な方法もあります。
 
 指を冷水につけると、もちろん冷えます。ところが、そのあと血管が拡張して、急速に温かくなります。これは、人間の持つ恒常性の作用。人体は一定の温度を保とうとするので、一度冷えたところを温めようと血管が拡張するのです。
 
 こうした方法を利用していたのが、江戸っ子。風呂を出る前に、冷水を浴びることで、湯冷めを防いでいたそうです。もっとも、この水かぶりは、血圧に悪影響があるのでおすすめしませんが…。
 
 現代の我々に良い方法としては、風呂を出る前に、手足の先にだけ冷水をかける方法があります。
「冷えるんじゃないの?」
 と思うかもしれませんが、冷たいのは一瞬。すぐに血管が拡張して、温まってきます。これを続けていると、手足の血管が開きやすくなって、冷え性が治るといいますので、試してみてはいかがでしょうか?

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2015年1月27日 (火)

主治医が見つかる診療所2015年1月26日 免疫力を上げる!

■テーマ 免疫力を上げる
 
 番組のポイントは3つ。
 
①唾液を出して、ドライマウスを防ぐ
 → よく噛む。アゴの裏側の唾液腺をマッサージする
 
②身体を温める
 → 身体を温めるものを飲食する。下半身の筋肉を鍛えるスクワット
 
③笑う
 → ラフターヨガ(笑うヨガ)。日常で、理由はなくても笑う習慣をつける。
 
■感想
 
 ドライマウスは、中年以降、悩まされますね(実は私も少し…)。
 確かに、噛む回数を増やすと、唾液が増えるのが実感できますね。
 
 なお、噛む回数を増やすには、固いものやガムを食べることのほか、首のマッサージをおすすめしたいです。というのは、首の前側の筋肉は、噛むときに口を開く働きをします。ここの筋肉が硬くなっていると、口の開閉が重くなって、噛むのがおっくうになってしまうのです。
 首のコリを解消すると、それが楽になります。早呑込みしてしまう人の、ダイエットにもいいかも。
 
 笑うと免疫力が上がるというのは、最近有名になりました。笑うふりだけでも、効果があるそうです。
 アドラー心理学によれば、
「人間は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるのだ」
 ということですから、どちらが先でもいいのかもしれません。

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2015年1月23日 (金)

つま先が上がらないと、腰痛を起こす

 足の関節は、上に向かって20度まで上がり、下に向かって50度まで伸ばせます。
 
 わかりやすく言うと、つま先を上げた時に、足指の先がくるぶしの高さを越える位置まで上がり、下げた時に足の甲がすねと一直線になるのが正常。それより動く範囲が低い場合には、足関節の動きが制限されていると言えるでしょう。
 
 八起堂治療院は、腰痛でも肩こりでも、必ず足関節まで治療します。足関節のバランス崩れが、全身の不調を起こすからです。たとえば、腰痛など。
 
 足の固さが腰痛につながる理由は2つです。
 一つは、姿勢が崩れること。
 私たちが立っている時の姿勢は、体重の位置で決まってきます。
 両足を揃えて立ち、足先の方に体重をかけてみてください。自然に腰が伸びて、S字カーブを描くでしょう。
 ところが、つま先が上がらないと体重を前にかけることが出来ません。後ろに体重がかかるので、上半身を前に出してバランスをとって猫背になってしまいます。これが腰に負担をかけるのです。
 
 もう一つは、足を高く持ちあげなければならないこと。
 つま先が上がらないことで、足が地面に引っかかってしまうことがあります(何もないところでつまづいて転びそうになる人、いますよね?)
 これを防ぐためには、足を高く上げなくてはなりません。とくに、片方だけが不調の場合には、身体を傾けて歩いたり、つま先を開いて歩いたりするので、やはり身体のバランスが崩れます。
 
 足の関節が不調かどうかの見極めは、上に書いたように簡単です。
 また、ちょっとした不調なら、自分で治療することもできます。
 テストの方法と、足関節の調整方法を書いてあるページにリンクしておきますので、気になる方は試してみて下さい。

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2015年1月21日 (水)

ためしてガッテン2015年1月21日 天気痛の話

 雨が近づいてくると、古傷が痛む…。こういう人は、多いです。私のところに来てくださる患者さんでは、関節痛の方が多いですね。
 この天気による痛み、気圧と関係があることはわかっていたのですが、どういうメカニズムかははっきりしていませんでした。
 今回のガッテンは、それがはっきりしたという話。
 
■ガッテンの内容
 
 人間の身体で、もっとも気圧に敏感なのは耳です。
 耳の鼓膜より内側、内耳にはリンパの流れを感知する細胞があり、身体の運動を脳に伝えています。しかしその細胞は、気圧の変化にも反応して、身体運動と誤認します。目で見る運動と、耳で感じる運動のズレがストレスとなり、痛みを強く感じさせるのが、天気痛の原因とのこと。
 
 この、目と耳のズレによるストレスは、車酔いの発生する原理と同じです。そこで、痛みの予兆(眠気や、ぼーっとする感じ、締め付けられる感じなど)が出た時点で、酔い止めの薬を飲めば、痛みの発生を抑えられるという話でした。
 
 また痛みは精神的なストレスにも左右されるので、天気予報などで「いつ軽くなるか」という先の状況を予想することで、痛みを軽減できるとのことです。
 
■痛みは、合計で決まる
 
 今回の番組で面白かったのは、気圧変化、精神面などのストレスが、痛みを感じさせるということ。
 
 実は人間の神経は、コンピュータと同じようにデジタル形式になっています。つまり、反応をするかしないかの二択なのです。その、反応するかしないかの境目を、閾値と言います。
 
 身体的な痛みだけでは閾値に届かないものが、ストレスと合計されると、痛みを感じるところまで届いてしまう。
 痛みとストレスが足し算になるということが、個人的にはとても面白いものでした。どうやって、ストレスが足し算にならないように管理するかが、痛みの対策としては重要になりそうです。
 
■自信ありげな態度の効果
 
 昔から、治療をする人間には「口で治す」という言葉があります。
 どんなに自信がなくても
「大丈夫! 絶対治る!」
 と、自信ありげに断言することで、患者さんの痛みが消えてしまうことがあるのです。
 
 これもまた、先ほどの天気の問題と同じように、将来に前向きな予想をもらうことでストレスが減り、痛みが軽減するのでしょう。ハッタリのようなものですが、これはこれで、立派な治療だということになりそうです。
 
 まあ、私はこのハッタリが苦手なんですけどね…。

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2015年1月19日 (月)

医者、大喜びのノロ

 季節柄、ノロウイルスにかかる人が多いようですね。
 もうずいぶん前ですが、私もノロウイルスに感染したことがあります。
 
 まだノロウイルスがあまり話題になっていなかった1998年。
 当時は会社員だったので、ボーナスがありました。そこで妻と一緒にちょっと贅沢をしようと、フグ料理店に行ったのです。
 フグ料理店で料理を待つ間に、生牡蠣を頼み、二人で食べました。その日はとくに何の問題もなく、フグ料理を堪能して帰りました。
 
■医者、喜ぶ
 
 発症したのはその二日後。猛烈な気持ち悪さと嘔吐に襲われ、仕事を早退して病院に転げ込みました。
 症状を説明し、牡蠣を食べた話をしているうちに、医者の表情がだんだん変わってきました。そして、私を残して無言のまま席を立ち、事務室へ。しばらくして戻ってきた彼の手には、一冊の医学雑誌がありました。
 それを開くと、
「ほらこれ、これ! 書いてあるとおり!」
 満面の笑みで、医学雑誌を見せました。さらに朗読。
「感染経路、牡蠣。潜伏期間、2日。ね? ホントにそのままでしょう!」
 こっちはそれどころやないっちゅうねん! とツッコミたかったのですが、そんな気力はありませんでした。
 
 医者は、ニッコニコしたまま血液検査をし、腸の働きを見ると言って造影剤を飲ませてレントゲンを撮影し、薬を処方してくれました。そして笑顔で
「お大事に!」
 医者も人間。珍しいものを見ると、テンションが上がるのだと実感しましたね。
 
■妻は…
 
 ところでノロウイルス。
 一緒に牡蠣を食べたのに妻は発症せず。私から感染することもありませんでした。そういえば、この人は私がインフルエンザにかかった時(それも数回)も、ピンピンしていました。
 
 こっちはもしかしたら、人間とは別の生き物かもしれません。

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2015年1月17日 (土)

ヒートショックプロテインで、免疫力を上げる!

 昨日の記事に続いて、2015年1月15日「あのニュースで得する人損する人」の話。
 熱いお風呂に長く入ることで身体に生まれるヒートショックプロテインに、ダイエット効果があるという話でした。
 
■熱いお風呂に長く入ることの問題
 
 ヒートショックプロテインは、わかりやすく言うと、熱によって変性したタンパク質です。タンパク質は人体の重要な成分ですが、熱によって性質が変わると、異物として認識されます。すると免疫細胞が、異物を排除するために活性化し、全身の免疫力が上がるのです。
 
 番組で推奨されていたのは、熱いお風呂にはいること。とはいえ、熱いお風呂に長く入ると、のぼせたり脱水症状になる危険もありますね。そうでなくても、肌の脂分が流れてしまって、お肌には良くないようです。
 そういうデメリットなしに、ヒートショックプロテインを利用する方法があります。それは、お灸。
 
■お灸のすすめ
 
 お灸は昔からある健康法の一つです。肌に、ヨモギの葉からとった「もぐさ」を乗せて火をつけ、小さな火傷を起こさせます。原理は先程と同じ、ヒートショックプロテイン。
 日常的にお灸を据えることは、病気の予防になったはずです。江戸時代には「足に灸を据えていない人とは旅をするな」と言われたほど。
 

Photo

 このお灸、現在は簡単に使える、シール式のものが出ています。それにライターなどで火をつければ、OK。専門的には据えるツボによって効果が違うとされていますが、ヒートショックプロテインを利用するだけなら、どこに据えても同じです。
 
 オススメできるのは足の裏。お灸の後には、脂が皮膚について茶色くなることがあるのですが、足の裏なら目立ちません。
 たとえば、土踏まずの前のところにある「湧泉」。体力の基本になる「腎の気」を補うとされています。
 睡眠が浅くて困っている人は、踵の真ん中にある「失眠」というツボに据えると、よく眠れると言われています。
 
 ただ、今回テレビで言われていた「ヒートショックプロテインにダイエット効果がある」という話は、今までに聞いたことがないんですよね…。どうも疑わしいのですが。
 
付記
 今回、これを書くにあたって調べたら、煙の出ないタイプができているんですね。いつのまにやら、お灸も進歩しています。
 

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2015年1月16日 (金)

マッサージで1kg痩せる理由

 仕事柄、テレビの健康番組はチェックしています。といってもたいていは早送りで、気になるところだけ、普通の速度で。
 早送りでも画像が乱れないHDDビデオは、本当に便利です。
 
 さて。
 2015年1月15日「あのニュースで得する人損する人」は、前半がダイエット特集でした。
 最初のトピックが、マッサージで痩せる話。番組内では、足のマッサージと、全身の皮膚と筋肉を手でつまみ上げる動作を続けることで、リンパ液の流れを改善して、痩せた、というものでした。
 
 鍼灸マッサージ師としてコメントすると、マッサージをして痩せるのは事実です。私の治療院でも、
「マッサージの後で体重が減った!」
 というお客様の声は、何度も聞いたことがあります。それも、施術した次の日に。ということは、やはりマッサージをすれば痩せるのです…が、それにはカラクリが。
 
■痩せるのは、余分な水分の重さだけ
 
 リンパ液は、全身の細胞の隙間に存在します。普通は、身体が動くときの圧力変化で少しずつ移動して、最後はリンパ管に回収されます。ところが、運動の少ない現代人では、リンパが流れにくく、滞りがち。
 マッサージをすると、溜まっていたリンパ液が流され、余分な水分が排泄されて痩せることになります。
 
 また、肩などのコリも水分を含んでいます。コリは筋肉の緊張で血行が悪くなり、老廃物がたまった状態です。マッサージして緊張を取ると、血行が回復して、老廃物と水分が一緒に排泄されます。
 
 ただし、所詮は水分の排出なので、体重の減少には限界があります。
 八起堂治療院の場合、とくに深部のコリをとるために、手足の関節を大きく動かす操作をするので、かなりのリンパ液や老廃物を送り出します。それでもすぐに痩せるのは、1キログラムが限界。一度にそれ以上体重が減った、という人はいません。
 
■マッサージでもっと痩せるには?
 
 今回、テレビで紹介されていた方は、マッサージを続けることでもっと痩せていました。それはどうしてでしょうか? 考えられる理由は2つあります。
 
 ひとつは、継続的にリンパマッサージをすることで、リンパの通り道が整理され、リンパがたまりにくくなったことが上げられます。もっとも、これでは脂肪は燃焼しませんから、限界はありますね。
 
 もう一つは、血液やリンパの流れが改善されたことで、全身の代謝が上がったことです。リンパ液も血液も、細胞に酸素や栄養分(脂肪も!)を運ぶ働きをします。流れが良くなって、酸素と養分が十分に運ばれてくれば、細胞はカロリーを消費してくれるのです。
 
 どちらにしても、継続的なマッサージが必要なことは同じ。
 
■自分でマッサージできる運動
 
 もちろん、治療院でマッサージを受けていただければ、こちらはありがたいのですが(笑)、なかなか難しいと思います。そんな方におすすめしたいのは、中国でスワイショウと言われる運動です。といっても、運動そのものはみなさんもご存知のはず。
 
 足を開いて立ち、体をねじりながら両腕を左右に振り回す運動です。ラジオ体操などでおなじみですね。この運動は、全身の筋肉や皮下組織をまんべんなく動かすので、リンパの流れを改善する効果があります。ゆっくりでいいので、毎日何分か続けると、効果があります。
 
 もし、身体に固いところがあってうまくねじれなかったり、痛みが出たりする場合には、ご相談ください。

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2015年1月14日 (水)

みんなの家庭の医学 2015年1月13日 膝痛・腰痛スペシャルの問題

 昨日の「みんなの家庭の医学」は、ヒザ痛、腰痛スペシャルでした。今回は残念ながら、腰痛についての間違いが非常に多い回でした。
 番組内容は黒、八起堂のコメントは赤で表記します。
 
膝痛について
 
①ヒザ痛を直した青森の体操
 ヒザ痛について、青森の「アップル体操」が紹介されていましたね。ストレッチや筋力強化など、いくつものトレーニングを組み合わせた体操です。
 ヒザ関節の軟骨が擦り減った人でも、この体操で筋肉を強化することで、痛みが消えて普通に動けるようになっているという話でした。
 
・コメント
 膝の痛みを治すには、筋力が必要。これは以前から言われています。
 筋力を強化しても、軟骨が増えているわけではありません。それなのに痛みが消えるとすれば、痛みの原因は軟骨の擦り減りそのものではないと言えます。
 
 先週、テレビの「予約殺到!スゴ腕の専門外来SP」で、順天堂東京江東高齢者医療センターの黒澤尚医師が、関節の痛みは炎症が原因だという説を紹介していました。
 軟骨がすり減ってできた微粒子が関節の中に散り、炎症をおこすのが痛みの原因というのです。そこでゆっくりした運動をすると、免疫細胞NF-kappaBの働きを抑制、炎症が収まって痛みが減るという理論でした。
 
 膝痛の治療はこれからますます変わりそうです。
 
②ヒザ痛の新原因
 今回は、一般的に言われている関節軟骨の擦り減りではないヒザ痛についても紹介していました。原因は、ヒザのコリ。ヒザ周辺の筋肉が固まって、痛みを起こしているというのです。ヒザの皿を上下左右斜めの八方向から押して、痛みを感じる部分を伸ばし、ほぐすことで良くなるという話でした。
 
・コメント
 これは、治療をしているとよく実感します。ヒザ軟骨だけが痛みの原因なら、痛みはヒザ関節の隙間に集中するはず。しかし、意外とその周辺が痛んで、軟骨部分が痛くない方は多いです。ヒザ周辺の固まった筋肉をほぐすことで、たしかに痛みが軽くなります。
 
 なお、テレビでは扱っていませんでしたが、ヒザがねじれるようにズレることで、痛む人もいます。ズレが、筋肉や軟骨に負担をかけているのでしょう。
 これは、八起堂で言う足の歪みです。足関節の歪みを取り、ヒザ関節のねじれを治すことで、痛みが消えます。
 
 
腰痛について
 
 日本人に多い腰痛について解説していましたが、残念ながら、かなりいい加減で、ツッコミどころの多い番組構成でした。八起堂のコメントを赤で表示します。
 
①椎間板ヘルニア
 前かがみになると痛み、片足がしびれたりする腰痛は、椎間板ヘルニアによるものと言っていました。椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションが飛び出して神経を圧迫する症状。
 番組では、パピーポジションと言って、うつ伏せに寝た状態から、上半身を持ち上げる姿勢を、一日に2,3分行うことで軽減するとしていました。
 
・コメント
 前かがみになって痛む腰痛ですが、大半の腰痛の方は、MRIで見てもヘルニアが存在しません。前かがみで痛むだけなら、ヘルニアの可能性はかなり低いです。ヘルニアが本当に起こっている場合は、足がしびれる・力が入らないなどの神経症状がでます。
 ほとんどの前かがみ腰痛は、筋肉の緊張と疲労によるものです。
 
 前かがみで痛む場合は、脊椎の内側から骨盤の中を通って足につながる、腸腰筋と呼ばれる筋肉で起こっているケースが多いです。番組で紹介したパピーポジションは、腸腰筋に対するストレッチにもなるので、治るのでしょう。
 
②腰部脊柱管狭窄症
 背中を反らすと痛み、前かがみになると楽になる。長く歩くと、足がしびれる。こうした腰痛は、脊柱管狭窄症としていました。脊柱管狭窄症とは、脊椎の中の、神経が通る管が狭くなることで神経を圧迫する症状。改善するために、椅子に座って、背中を伸ばすストレッチを奨励していました。
 
・コメント
上と同じく、背中を反らして痛む場合でも、脊柱管狭窄症である確率は、かなり低いです。この場合も、実際に狭窄症なら足のしびれ(感覚がない、力が入らない)が出ます。しびれがない場合は、まず脊柱管狭窄症ではありません。
 反らして痛む腰痛の、ほとんどのケースは背中側の多裂筋などが疲労して痛んでいるもの。そのため、前に曲げるストレッチで治るのです。
 なお、脊柱管狭窄症は、50代から80代の、比較的高齢者に多いものです。
 
 ③コンパートメント症候群(?)
 今回、番組が第三の腰痛として紹介した腰痛。
 五十代、六十代になって出てくる痛み。立ち仕事で腰がだるくなり、伸ばすと楽になる。
 この原因は、筋肉が緊張しつづけることで血管が圧迫され、血流が悪化、それによって痛みが出ている状態。椅子に座っての運動で、この状態が改善できるとしていました。
 
・コメント
 明らかな間違いです。番組ではこれをコンパートメント症候群としていましたが、コンパートメント症候群は、筋肉が何らかの理由で腫れ、筋肉を包む膜(コンパートメント)の中で膨れ上がって血管が圧迫される状態。スポーツをする若い人によく起こります。
 
 番組で紹介されている症状は「筋肉の緊張による阻血状態」と呼びます。緊張で血管が圧迫され、血液が循環しないことで痛みが出ます。また栄養不足で筋肉が回復できないため、細くなってゆきます。
 
 この腰痛が五十代、六十代から多く発生するという説明も間違い。阻血状態は、ひとつの姿勢で長い時間を過ごす人に多く出る症状で、若い人にも起こります。むしろ、若い人に多いと言ってしまってもいいくらい。

 原因不明と言われる腰痛(90%以上!)は、この阻血状態によるものだと言っていいでしょう。筋肉の状態はレントゲンには映らないので、原因不明になります。
 
 治療の方法は、筋肉の緊張を和らげること。前述のような前かがみのストレッチは有効です。筋肉を増やすと、負担が減って痛みが起こりにくくなります。

 ちなみに八起堂治療院では、マッサージ、鍼などで緊張を緩め、仙腸関節を調整して再発を予防しています。

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2015年1月13日 (火)

骨盤の歪みを治す体操とは

 一昨日、関西放送の番組「よーいどんサンデー」で、骨盤の改善体操が紹介されていました。
 体操そのものは、以下のようなものでした。
 
①立った状態で、前後、左右に腰を動かし、最後にお尻をギュっと締める。
②足を前に伸ばして床に座り、左右の骨盤を上げながら、前に歩く(いわゆる骨盤歩き)
③椅子に座って、背筋を伸ばしたまま、ヒザを上げる(腸腰筋を鍛えるため)
         (指導 芦屋美整体院 納富亜矢子氏)
 
 
■骨盤を治す体操の原理
 
 骨盤を調整する話は、もはや健康番組の定番。いろんな方法が紹介されますが、基本的な方法は、ほとんど同じです。ポイントは、骨盤を大きく動かすこと。
 
 骨盤の歪みというのは、主に2つの要因で成り立っています。
 ひとつは、骨盤周りの筋肉が偏って緊張していること。左右の筋肉の片方だけが緊張すると、その筋肉に引っ張られて傾くわけです。
 足の長さが左右で違う、などというのも、骨盤が筋肉の緊張で傾いているから。
 
 もう一つは、仙腸関節のレベルでズレがあること。といっても、実際には仙腸関節のズレは数ミリ程度なので、それだけで見てわかるほど骨盤がゆがむことはありません。仙腸関節の動きが悪いことで、周辺の筋肉が緊張して、偏っているのです。
 
 ということで、骨盤調整運動は、骨盤周辺の筋肉を動かして伸ばし、また仙腸関節を動かすことでズレが元に戻ることを期待するわけですね。
 
■足の長さで治療効果がわかる?
 
 ついでながら。テレビなどで、
「足の長さが違いますねえ。(と言って施術)ほら、左右の長さが揃いましたよ!」
 と、治療効果をアピールする施術者がいます。
 実は足の長さは、足を引っ張って骨盤周辺の筋肉をストレッチするだけで、簡単に変わってしまいます。長さが変わったからといって、治療効果の証明にはなりません。
 治療効果は、痛みや違和感、動きやすさを基準に考えてくださいね。

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