2008年8月18日 (月)

そのまま体操⑧

 前々回、これで一段落と言っていましたが、早くも再登場となりました。どうしても作りたいと思っていた、足首を調整する体操です。Tumasaki_2

 足首は身体の土台ですから、その影響は全身に及びます。とくに影響しているのが膝痛、股関節痛。
これまでに、足首の曲がりを改善し、体重のかかり方を調整するだけで、多くの患者さんの膝痛や股関節痛が消えるのをみてきました。とくに骨変形前の膝痛に関しては、ほぼ間違いなく症状の軽減が望めます。

 この体操は、治療院で本格的に治療するほどではないにせよ、続けて行うことで、かなりの効果が期待できます。

1. 椅子に座り、治療する足を、足を組む要領で膝の上に乗せる。(この姿勢が一番楽)

2.つま先を反らせ、手で固定。そのまま、足首を大きくいっぱいに回す。逆にも回転させる。

3.つま先を曲げて、手で固定。そのまま足首を大きくいっぱいに回す。逆にも回す。

 指を反らすことで足裏の組織、指の屈筋腱を緊張させ、回転によってほぐします。また曲げることで足の甲の組織、指の伸筋腱を緊張させ、回転によってほぐします。
 足首のみならず、ふくらはぎ(指を曲げる筋肉の一部があります)をほぐす効果もあります。Nejiri_2

4.足の裏が上に向くよう、つま先をねじり、そのまま足首を大きく回す。

5.足の甲が上に向くよう、つま先をねじり、そのまま足首を大きく回す。

 写真では片手でねじっていますが、両手でつかんでねじるほうが固定は楽になります。

 ねじりながら回すのは、最初は少し難しいかもしれません。手は固定したり、ねじったりだけを行い、回すのは足の力で行うと、比較的簡単です。
また、二人組みになって行うのも簡単です(その場合は寝転がって)。

 ねじることで、足首の組織、とくに脛の骨と足首の間に緊張が作用し、回転によってほぐされます。

 誰でも、子供の頃に一度や二度の捻挫は経験すると思います。スポーツをやっていた人なら、なおさら。
 しかし捻挫が治って痛みがなくなった後、関節の固さは、思っている以上に長く残ります。10年、20年ものの捻挫跡が、痛みを生み出している例は本当に多いのです。足、膝、股関節に痛みのある方は、どうぞお試しください。

 なお、捻挫の直後、痛みのある間は、行わないでください。

感想をお送りください
 「そのまま体操」を試してみた感想など、コメント欄にいただけると幸いです。「ここの説明がわかりにくい」などの問題点の指摘も、いただけると嬉しいです。

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2008年8月 3日 (日)

ダイエット 食欲を抑えるには

 先日、面白い本を読みました。「ヒトはおかしな肉食動物」(高橋迪雄 講談社)。消化器官の比較などから、人間の食性について考える本です。その中で「すべての生物は、十分な必須アミノ酸を摂取するまで食べ続ける」という意味の記述がありました。

1.理想は高栄養と低カロリー
 例えばネズミ。主食は穀物、麦などの穀物ですが、穀物には必須アミノ酸であるリジンが少ないので、十分なリジンが取れるまで穀物を食べつづけます。当然、かなりのオーバーカロリーになりますが、余ったカロリーは、走る事で消費します。よく、ネズミがネズミ車を回しているのは、必要上の問題なのですね。走るのを止めると、簡単に肥満してしまうとのこと。

 肉や魚を多食する現代の日本でアミノ酸の不足はまず起こりません。
しかし、ビタミンとミネラルでは同じことが起こりえます。それについて書いていたのが「丸元淑生のシステム料理学」(文春文庫 現在絶版)でした。

 人間が生きてゆくためには、食物のカロリーだけでなく、各種ビタミン、ミネラルが必要で、一種類でも足りなくなれば病気になります。ところが現代の食生活は、カロリー中心に偏りがちです。
 例えばコンビニで「焼肉弁当」を買って食べるとしましょう。肉の脂肪とタンパク質、白飯の炭水化物で、カロリーは十分にとれます。ところが、野菜類はあまり入っていないので、ビタミンCを始めとするビタミン類が足りません。
 不足すると、身体は「足りない」という信号を出し、食欲を起こします。もっと多く食べて、不足を補おうとするのです。そこでまた焼肉弁当を買ってくれば、カロリーは増えて、不足は同じ。いくら食べても満足感がなく、際限なく食べてしまって肥満を進行させます。
 ここで、バランスよく栄養を摂れると、むやみな食欲に襲われなくてすみます。つまり、食欲を抑えてダイエットを成功させるには、少ないカロリーで足りない栄養素を補う食べ方が必要だということです。

2. 炭水化物絶ちダイエットの難関
 足りないものを欲しがる、という意味では炭水化物も同じです。人間の脳は、栄養分としてブドウ糖(炭水化物)を使うようにできており、炭水化物が足りないと、食欲が出てくるようになっています。そこで脂肪の多いものを摂ったりすれば、やはり食欲は満たされず、カロリーだけが増えてゆきます。
 つまり炭水化物を適度にとっているほうが、かえって食欲が過剰にならず、ダイエットは成功しやすいはず。もちろん多すぎる炭水化物はやはり脂肪の元ですし、一度に多く摂りすぎると血糖値の急激なアップダウンが食欲を招きますから、適量を守る必要がありますが。

 巷でよく聞く、炭水化物絶ちダイエット。「肝臓に負担をかける」「コレステロール値が上がる」などの批判がありますが、まずは空腹感と戦い続けるのが大変そうです。私の身近に、炭水化物断ちダイエットで痩せた人はいませんが、よほど意志が強くないと、貫き通せないからかもしれません。

3.食欲を抑えるには、バランスのよい食事
 少ないカロリーで十分な栄養、つまりアミノ酸、ビタミン、ミネラルと、適量の炭水化物をとることできれば、身体が要求する食欲は抑えられます。あとは「つい食べてしまう食習慣」だけ。
 また、ビタミン・ミネラルが足りていると、脂肪や炭水化物の燃焼が良いので、効率よくカロリーを使うことができます。カロリーを使う点からも、バランスの良い食生活は欠かせません。

 現代人の場合、不足しているのは主に野菜類、豆類です。こういった食材をとりいれて、と言いたいところですが、それが難しい場合には、マルチビタミンのサプリメントや、野菜ジュースを使うのも一つの方法でしょう。

 マルチビタミンダイエットなんてのも、できるかもしれません。

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2008年7月19日 (土)

そのまま体操7

 しばらく続けてきました「そのまま体操」も今回で一区切りです。最後は、パソコンなどの使いすぎで手が疲れたときの方法をどうぞ。Tenotam

1.前腕を、もう一方の手でつかみ、
  シワがよるくらい皮膚をねじる。

2.そのまま、つかまれた方の手を
  握ったり開いたりする。

3.手首を曲げたり伸ばしたりする。

 時間があれば、ねじる方向を逆にしてお試しください。

 前腕には、手首を動かす筋肉と、指を動かす筋肉がつまっています。パソコンなど、手を使いすぎたときにはこの筋肉が疲れて、前腕部が固くなっているのがわかります。
 こういうとき、普通に揉んでも、動かしてもいいのですが、この体操(というよりもマッサージですね)はかなり有効です。

 鍼灸マッサージの学校にいたころ「疲れは、筋肉の間に溜まる」と教えられました。もちろん「疲れ」という実体が筋肉の隙間に挟まっているはずもないので、一種の比喩的表現ですけど。
 実際、筋肉と筋肉の隙間に指を差し込んだり、ずらすように動かして揉むことで疲れが抜けるのは事実です。筋肉同士の動きを調整してやることで、筋肉間を通る血管の流れがよくなるのが原因ではないかと思っていますが。
 腕をねじることで、皮下の筋肉の位置関係が変わります。そのまま曲げ伸ばし、握ったり開いたりすることで、筋肉の間に滑りが起こり、治療効果がでてきます。

・そのまま体操について
 「そのまま体操」は、八起堂の治療をご自宅でもできるようにと考えた体操です。
 「一つの方向に力を加え、その力を保ったまま別の動きをすることで、筋肉や関節の動きを改善する」というTAM理論を応用しています。
 体操を作る気になればいくらでも作れるのですが、効果を狙いすぎると力加減や方向が微妙になりすぎて、普通の人では実行できなくなってしまいます。体操をわざわざ練習するのも本末転倒なので、簡単にできる体操が一通り揃ったところで終了することにしました。

 心残りなのは、足首の調整体操が作れなかったこと。足首は人体の土台ですから、その歪みは全身に及びます。足首の調整だけで、膝やお尻の痛み、肩のつっぱりが、一瞬に取れることも少なくないのです。
 しかし足首調整の動きはあまりにも微妙すぎて、やっぱり体操にできませんでした。いつか、うまい方法を思いついたら載せたいと思います。

 次回からはまた、医療関係のよもやま話をお送りしたいと思います。

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2008年7月 3日 (木)

そのまま体操6

 今回は、下半身全体の調整です。Hirakiasi

1. 足を肩幅くらいに開いて立つ。

2. 足全体を外向きにねじって、
   つま先を大きく開く。

3. そのままフラフープをやるように、
   腰を水平に回す。
   ただし、ゆっくりと。

4.逆の方向にも回す。

 足を内外にねじると、骨盤から足につながっている筋肉、お尻の筋肉といった下半身の多くの筋肉を緊張させることになります。もちろん、股関節にも緊張が入ります。この状態で腰を回すことで筋肉をほぐすのです。

 足の筋肉には体重を支え、歩くという重大な使命があります。さらには、骨盤を安定させる役目もおっています。前回書いた、骨盤の開閉運動には、足の筋肉が大きな役割を果たしているのです。これが不調になると、骨盤、ひいては腰から上半身まで影響が及びます。

 余談ですが、クラシックバレエには、つま先をいっぱいに開くポーズがあります。(正式名称もあるのですが、失念しました)。この写真どころではなく、左右の足先が一直線になるほど開きます。
 このポーズ、本来は股関節から足全体を外に向けます。ところが形だけをまねして、つま先を外に向けるバレエ練習生が多いのです。股関節はそのまま、膝関節と足首をいっぱいに外に向ける…。

 膝と足首の関節は、本来ねじるようにはできていません。その関節をねじるのですから、長い間に足の靭帯が変形し、骨格が歪んでしまいます。今までの臨床経験から言うと、バレリーナの故障のうち、半分くらいはこの無理なねじりが影響しています。
 股関節から外に向けて足を開くには、長い練習が必要です。しかし故障を起こさずに長く踊りたければ、基礎の段階で、この開きをしっかり身につけなくてはなりません。お子さんがバレエを習っておられる方は、注意してあげてください。

 ちなみに、今回の体操くらいの短時間では、悪影響は出ません。どうぞ安心してお試しください。

 開く体操が終わったら、今度は閉じる体操を。Tojiasi

1.足を肩幅くらいに開いて立つ。

2.足全体を内向きにねじって、
  つま先を閉じる形に。

3.そのままフラフープをやるように、
  腰を水平に回す。

4.逆方向にも回す。

付記
 ご覧の通り、今回からモデルが変わりました。前回の八起堂通信で「モデル人形がほしい」と書いていたのを見た友人の村井君(右側下のリンクにありますね)が、手持ちの人形を分けてくれたのです。

 タカラのミクロマンシリーズの「マテリアルフォース」です。本来はこの人形にパテを盛ったり、色を塗ったりして完成品を作る素材だそうです。女性形ということですが、顔がないのでそのあたりはわかりにくいですね。

 この人形、身長は僅か10センチほどしかないのに、全身の関節が36か所も動きます。首、手足はもちろん、胴体までねじったり曲げたりができます。つま先まで曲がるという芸の細かさ。絵を描く人が使うモデル人形でもこうはいきません。
 おかげで、私も一安心です。

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2008年6月18日 (水)

そのまま体操5

 腰痛対策で、外せないのが骨盤の調整です。
実際、新聞でも雑誌でも、健康関係の記事のあるところ「骨盤の歪み」を見ない日はありません。Habatakukotuban_2

 骨盤はもともと一定の柔軟性を持っており、仙骨(背骨から連続している骨です)を中心に、左右の寛骨が羽ばたくように動くのが正常です。せいぜい数ミリから1センチの動きですが 身体の調整には欠かせません。
 右の図の矢印は、その動きを示しています。 例えば、身体を傾けたときには、左右の寛骨が逆方向に動いて、仙骨(つまりその上の背骨)が傾くのを助けます。その他、重心調整や、ショックの吸収など、いろいろな場面で役に立ちます(同業者の方は、カテゴリーの治療技術論から、「AKAの治効理論」を参照してください)。
 それが筋肉の緊張や靭帯の硬化で動かなくなると、さまざまな弊害がでてきます。偏ったまま固定されたときを、一般的には骨盤の歪みと呼んでいます。
 骨盤が歪んでいるといっても、骨の変形などはありませんから、柔軟性を取り戻せば回復します。

 ということで、今回は骨盤を柔軟にする体操です。前と同じく、主に慢性の腰痛治療、急性腰痛の予防に向いています。急性腰痛のときは専門の治療を受けてください(大抵の場合、ただおとなしく寝ていても治りますが)。

Imgp0605_edited
1. 仰向けに寝転がって、足の裏を合わせる。平泳ぎの途中みたいな形になります。

2. 足の力を抜いて、ダラーンとします。

3. そのまま、思い切り息を吸う。できるだけお腹に息を入れるつもりで。
お腹が十分に膨らんだら、思い切り息を吐きます。

 この運動は、骨盤の上側が開く方向に重力をかけます。そのまま呼吸すると、吸い込んだときにはお腹が膨らんで、腰が反り、骨盤は足の方向へ押し下げられます。逆に、吐いたときには腰の反りはなくなり、骨盤は引き戻されることになります。この動きによって骨盤を構成する仙腸関節、恥骨結合、それを支える筋肉と靭 帯が動かされ、柔軟性を取り戻します。

次に、左右にそれぞれ逆の重力をかけて、動かす方法です。Asitaosi

1. 寝転んで、膝を立てたまま、
  足先を肩幅くらいに開く。

2. 上半身はそのまま、
  両足を右方向へ倒します。

3. そのまま、深呼吸。
できるだけお腹に息を入れるように。

4.逆の方向に倒して、同じく深呼吸。

 骨盤をねじる形で体重をかけ、深呼吸で刺激を与えて柔軟性を回復させます。なお、この姿勢では、腰椎(腰の骨)にも刺激を与えることができます。

・近況
 この八起堂通信に載せる写真には、毎度苦労しています。特に今回は、構図に苦労しました。
 本当は足元から撮る方がわかりやすい写真になったかもしれないのですが、そのアングルではあまりにも公序良俗に反するかもしれない…。という判断のもと、このような形になっています。股間の大写しを載せるのはあまりにも…。

 で、モデル人形でも買おうかと思いました。絵を書く人がデッサンのモデルに使う人形で、いろんなポーズができるようになっています。ところが、なかなか良い人形がないのです。このブログでモデルに使うには、かなり複雑な姿勢ができないと困るのですが、大抵のモデル人形では関節の数が足りません。
 と思っていたら、ありましたよ。おもちゃのタカラトミーが出しているミクロマンマテリアルフォース。わずか10センチの大きさなのに、関節が30個以上。おまけに値段は500円前後。これは買わない手はないですね!

…。製造終了だそうです。どっかに残ってないかなあ。

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2008年6月 4日 (水)

そのまま体操4

・腰痛の体操
Asifuri
 腰痛は、大きく二つのタイプに分けられます。
 一つはいわゆるぎっくり腰。急性の腰痛です。かなり痛みが強いため、立ったり歩いたりができなくなります。もう一つは慢性の腰痛。じわじわとした痛みが続く腰痛です。
 この体操は、主に慢性の腰痛治療、急性腰痛の予防に向いています。急性腰痛で痛みが強い最中には、この体操はしないほうが良いです。

1.壁に手をついて、片足を挙げる。

2.膝で円を描くように、ゆっくりと動かす。

3.元の位置に戻す。

4.そのまま足をねじって、
  つま先を左右に向ける。

 今回狙っているのは、背骨から骨盤の内側を通って足につながっている大腰筋、腸骨筋です。昔はほとんど知られていない筋肉でしたが、最近はスポーツトレーニングでも取り上げられるようになり、有名になりました。

 この二つの筋肉、とくに大腰筋は腰痛にかかわりが深いとされています(ぎっくり腰も、この筋肉の痙攣だという説があります)。足を持ち上げ、回すことで、この筋肉に刺激を与えて、柔らかくします。

 足を左右にねじる動きは、下部腰椎、骨盤の関節を動かし、不調を改善します。

・首の体操
 肩、首の体操もそろそろ一段落。Kubihuri
 今回は、首の上部をほぐす体操です。
 
1.上を向く。

2.そのまま、頭を左右に回す。

3.上を向いたまま、
  口を開けたり閉じたりする。

 首の骨、頚椎と頭蓋骨をつなぐ部分には、細かい筋肉がいくつもあります。これがよく凝るんですね。上を向いたまま首を回すことで、その筋肉を緊張させたまま動かし、柔軟性を回復させることができます。

 口を開閉するのは、首の前側の筋肉に対する刺激です。首の前側筋肉は、舌骨という骨を介して、下あごに関係しているのです。

 首が疲れたな~、と言うときにどうぞ。

・近況
 治療にいらして、
「この治療院の回りは自然が一杯ですね」
 と言って下さる方が多いです。
 しかし、自然が一杯と言うことは、虫が一杯と言うこと。とくにこの季節、毛虫が大量発生します。危険なドクガの毛虫は、発生場所が限られているので簡単に退治できるのですが、何といっても問題はマイマイガ。毒はないし、特に危険もないのですが、植物を選ばず、あっちにもこっちにもつきます。

 そのため、この時期は毎年、火バサミをもって庭をうろつきまわるのが日課になります。殺虫剤を使わない人手駆除ですから、根気が肝心。
 今年は、ようやく山場を越しました。もうほとんどいませんので、毛虫嫌いの方も安心してどうぞ。

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2008年5月18日 (日)

そのまま体操3

今回は肩の体操です。Kataundou_2
 
肩の関節は、人体の関節中で、もっとも自由な関節といわれています。
たしかに、上げ、下げ、回転、ねじりと、これだけ自由に動ける関節は他にありません。

その一方で、いろいろ問題を起こしやすいのも、この関節の特徴です。肩コリももちろん、悪名高い四十肩、五十肩もこの関節です。

治療に、予防に、引っ掛かりを取ってゆく体操をどうぞ。

1.腕を前方に水平に上げ、
    掌を上に向ける。

2.そのままゆっくり、
    水平に後まで回す。

3.元の位置まで戻し、
    掌を上に向けたまま、
  前上方へ上げる。

4.今度は後下方へ。

掌を上に向けると、腕を外側いっぱいにねじったことになります。そのまま動かすことで、肩関節の靭帯、肩を動かす筋肉群に刺激を与えることが出来ます。

 慣れてきたら、ぐるっと回転運動をするのも良いですね。

次は、同じ運動の逆ねじりバージョン。Kataundouura_2

1. 腕を水平に上げ、掌を後に向ける。

2.そのままゆっくり、水平に後に回す。

3.元に戻して、前上方へ。

4.今度は後下方へ。

 掌を後に向けると、腕を内側いっぱいにねじったことになります。このまま動かすことで、先ほどとはまた違う部分に刺激が加わります。

 こちらも、慣れたら回転運動をしてみて下さい。

 この運動は肩コリのほか、腕の動きを改善する働きがあります。四十肩、五十肩の後遺症で、腕が上がらない方のリハビリにも最適です。

 なお、四十肩、五十肩関連で行うときは、ゆっくりと動かし、「そろそろ痛くなるかな…」というところで止めてください。決して、痛みを感じるところまで無理をしないようにしましょう。

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2008年5月 4日 (日)

そのまま体操2

 前回は「ながら体操」と言っていましたが、調べてみたところ「ながら運動」という運動がすでにありましたので、名前を変更しました。ちなみに「ながら運動」は「日常生活をしながらカロリー消費する運動」だそうです。

前回は、主として首の治療用体操でした。Senakamage
今回はもう少し下、首の付け根から胸に関する体操です。

まずは肩甲骨や背中のコリをとる動きです。

1. 右手を胸の前で抱える。
2. そのまま、身体を右左にゆっくり曲げる。
3.左手を抱え、同様に身体を右左に曲げる。

急いでやると痛みがでることがありますので、ごくごくゆっくり行い、決して無理をしないでください。

ふだんはあまり動かさない肩甲骨を大きく引き出すことで、肩甲挙筋、菱型筋といった、背中の筋肉を伸ばし、テンションをかけます。
そのまま左右に曲げることで、筋肉と背骨の接続部を伸ばし、柔らかくすることができます。


次に紹介するのは、前側、胸から首の動きを改善する体操です。

1. 手を後で組んで、伸ばし、胸を張る。Imgp0552_edited
2. そのまま思い切り深呼吸。できる限り大きく息を吸って、次に吐けるだけ吐く。

これは、主に胸から腕にかけての筋肉、および肋骨の関節(肋骨と背骨の間にも、関節があるんです)の動きを改善する体操です。胸の周辺にテンションをかけ、深呼吸で肋骨を動かすわけですね。
腕の動きが楽になりますし、呼吸がしやすくなる効果もあります。また、寝違えは、この体操だけで、痛みが半減します。

ポイントは、深呼吸の大きさ。とにかく、できる限り大きく吸って、もうこれ以上は無理、というところまで吐く。胸を大きく動かすことが大事です。

・近況
モデルの写真を撮影しているのは妻です。前回撮影時の会話。

妻「もう少しアゴを引いて」

私「…(アゴを引いている)」

妻「…下を向くんじゃなくて、アゴだけ引く。もう少し笑顔、口角上げて」

私「…(笑顔)」

妻「ごめん、やっぱり笑わなくていいや。笑うと怪しい人みたい」

私「…(泣)」

そんなわけで、今後も仏頂面の写真が続く予定です。

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2008年4月17日 (木)

そのまま体操1

 世の中には片付けの得意な人と、そうでない人がいます。私は後者です。片付けようとはするものの、どこに何を入れるかの分類で手間取り、そのうちワケがわからなくなるのです。
 ところがその一方で、掃除機をかけるのは、大好きだったりします。ホコリや細かいゴミが吸い込まれてゆくところがいいんですね。とくに、ふだん掃除できないような場所に溜まったホコリを吸い込むときはワクワクします(と書くと、まるで変態のようですが、違います)

 タンスの陰やベッドの下、テレビの後ろなどは、毎日掃除できないだけに、少しずつホコリがたまるものですね。
 人体も同じで、筋肉の隙間や関節の間には、すこしずつ老廃物や繊維質が溜まっていきます。八起堂治療院で行っている、TAM手技療法は、関節や筋肉の隙間にある、そういった不要物を動かし、取り除くマッサージです。

 関節も筋肉も、不要物が溜まってくると、滑りが悪くなったり、ひっかかったりします。時々はエイヤッと動かして掃除をすると、動きが改善されて、ずいぶん楽になります。
 エイヤと動かすといっても、上海雑技団のような無茶な運動をする必要はありません。大事なのは、「動きの組み合わせ」です。肩こりをお持ちの方、ちょっと次の体操をしてみませんか?Kubimawasi  

1. 両肩を思い切り持ち上げる(首をすくめる…写真上)

2. そのまま、ゆっくり、ゆっくり首を左右に回す(写真中、下)



 お見苦しいモデルで失礼しました。

 さて、肩、首を動かしてみてください。調子はいかがですか?
 多くの方では、首が軽くなったのではないかと思います。
 大事なのは「肩を持ち上げ、そのまま首を回す」こと。「そのまま」がポイントです。

 この体操で紹介したような「~しながら」という動きは、日常ではまず行うことがありません。筋肉や関節は、いつもと違う範囲の運動、いつもと違う大きさの運動をすることになります。

 先ほどの掃除のたとえで言えば、いつもは動かさない家具を動かして掃除をするのと同じです。そして、これが八起堂治療院で用いている、TAM手技療法の治療原理です。

 TAMは「tension(緊張) and motion(動き)」の頭文字をとったものです。一つの運動で筋肉や関節を緊張させたまま、他の動きをすることで、筋肉はいつもとちがう動きをしますし、関節の組織はいつもと違う方向へ引っ張られます。これが、筋肉や関節の動きを改善し、柔軟性を増すのです。

 今の体操では、肩を持ち上げることで首の後ろ側にある肩甲挙筋、僧帽筋などの筋肉が緊張します。そのまま首を左右に回すと、筋肉はいつもと違う形で運動することになります。筋肉と首の骨の間でも緊張を伴う作用が働き、動きが改善したというわけです。

 今回紹介した体操は、二つの動きを共存させた治療体操のひとつですが、治療院では「曲げ・伸ばし・押し・引き・ねじり」などをいくつも複合させた、三次元的な動きを使います(ピンポイントで、身体の滞っている場所を治療するためです)。

 これからしばらく、八起堂通信ではTAM手技療法を応用した、一人でできる肩こり、腰痛治療体操、「そのまま体操」を紹介してゆこうと思います。どうぞお付き合いください。

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2008年4月 7日 (月)

献血とコレステロールと体重

 「A型の血液が不足していますー」
 という呼び声に応えて、十年ぶりに献血をしてきました。近鉄奈良駅の5階に献血ルームがあるのです。きれいな部屋に本やマンガ、テレビがあり、ジュースや水は自動販売機で飲み放題。ほとんど漫画喫茶状態の中、400mlを献血しました。
 それから二週間後、赤十字から封書が届きました。血液を検査したついでに、コレステロールやγ-GTPなどの血液の検査結果が届くのです(健康診断の代わりに使えて便利!)。前回、前々回の検査結果も載っていて、比較できるようになっています。驚いたことに10年前の検査結果がしっかり残っていました。
 10年前に比べて、コレステロールが少し増えていました。といっても、標準値の真ん中くらい。もともとが少なめだったのです。

 このコレステロールの数値には思い出があります。
 これももう10年近く前になりますが、生の牡蠣を食べてあたったことがあるのです。猛烈な吐き気とめまいの中、採血検査。と、医者が検査結果を見て
「コレステロールが低いな。あまり良いもの食わしてもらってないだろ」

 これを聞いた妻が、怒ったの怒らないの。
「なんて失礼な医者だ、ちゃんと食べさせてるのにー」
 ちなみに妻は、同じ牡蠣を食べたのに、あたりませんでした。不思議です。

・コレステロールが多いほうが長生き?
 コレステロールと言えば、最近の医学ニュースで「血液のコレステロール値が高いほうが、長生きする傾向が見られた」という研究結果が報告されました。
 一般的には、血液中のコレステロール値が高くなると動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因になるとされています。一般的には総コレステロールの値を220mg/dl以下にすることが必要だとされています。
ところが大規模な調査によると、死亡率が低かったのは、総コレステロールが240mg/dlから260mg/dlだったそうです。現在の基準では立派な高コレステロール血症です。
 「コレステロール値は高めのほうが良い」という研究は、すでに何回か発表されています。コレステロールは体内で生産されるホルモンの材料であり、また細胞の壁をつくる成分でもありますから、不足すれば血管が弱くなっても不思議ではありません。
昔の日本では、脳卒中による死亡率が今よりはるかに高いものでした。その原因は、塩分の取りすぎといわれていますが、コレステロールが足りなかったせいではないか、という説もあります。
アメリカ人の基準をそのまま持ってきたコレステロール値ではおかしい、と主張する学者もいます。
 とはいえ、コレステロールと死亡率の関係はまだ確定してはいないそうです。今後の研究を待ちたいところですね。

・そういえば体重も
 この、基準と寿命とのズレは、体重についても言われています。
 体重を、伸長の2乗で割った数字を、BMIと言います。例えば私の場合には体重が66キログラム、伸長が1.75メートルですので、
     66÷(1.75×1.75)=21.55
 となります。このBMIが22のときに、もっとも病気のリスクが低いとされています。ところが、統計的に調査すると、死亡率は必ずしもそうなっていないようです。高齢になるほど、高め(つまり太め)の方が長生きする確率が高いとされています。これも、まだ議論の余地のあるところ…。

 健康の数字は、人種により、年齢、性別により、場合によっては個人個人で適切に決めなければならないものかもしれません。

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2008年3月22日 (土)

アレルギーとキャッチフレーズ

 八起堂治療院も、開院から三年。記念の春とともに、いよいよ始まりましたね、花粉の季節。

・閑居して不善を為す…アレルギー編
 ご多分に漏れず、私も花粉症です。仕事柄、だらだら流しているわけにもいかず、薬のお世話になっています(運転をする場合には、点鼻薬を使用。飲み薬より眠くなりにくいので)。

 花粉症と言うと、杉、ヒノキが代表格ですが、北海道には杉やヒノキはほとんどありません。では花粉症はないのかというと、やっぱりあるのです。白樺の花粉症です。
 白樺と言うと北国・高原を代表する樹木で、いかにも風情があるのですが、かなりひどい花粉症だそうです。しかも、白樺アレルギーではリンゴが食べられなくなると言います(情報提供、当院常連のK様)。白樺とリンゴが近い種類の植物であるため、連鎖したアレルギーが起きるわけです。

 現代病と言われるアレルギーですが、原因の一つは環境の清潔さだそうです。
 もともと人間の免疫細胞は、細菌やウイルス、寄生虫といった、身体外からの攻撃を迎え撃つ役目があります。ところが現代日本のように清潔なところに住んでいると、細菌にも寄生虫にもあまり出会うことがありません。こうなると、免疫細胞たちはヒマをもてあますことになります。
 やることがなく、ヒマでヒマで、あまりにヒマな免疫細胞たちは、戦う相手に飢えているのです。花粉やダニの糞などは、本来ほとんど害のないものですが、これを見つけた免疫細胞は、これぞ仕事、と大立ち回りを始めます。免疫細胞の無駄な大騒ぎ、これがアレルギーなのだそうです。

 現在開発中のアレルギーの治療には、この原理を応用したものがあります。その一つは、予防接種のBCGを定期的に注射するというもの。実験では、かなりの割合で症状の軽減があったといいます。何でもいいので、早く実用化して欲しいものです。

・閑居して不善を為す…身体編
 私は、身体についても同じことが言えると考えています。患者さんの身体を診ていると、ところどころに「動かない部分」がある方が多いのです。
 我々は使い慣れた部分だけを使って、慣れない部分を使わない癖があります。筋肉を使わないでいると、細く、弱くなります。神経も過敏になり、軽い刺激で痙攣を起こすこともあります(ふくらはぎの痙攣「こむらがえり」も、あまり歩かない方に多いものです)。皮膚や関節は、繊維成分が沈着して硬くなり、動く範囲が狭くなっていきます。
 痛みと言うと、使いすぎばかりを考えがちです。しかし、治療の時には、動かなかった部分を動かして、機能を取り戻してやることも必要です。

・近況
 多くの店に、キャッチフレーズがありますよね。牛丼の吉野家なら「うまい、早い、安い」、ラーメン屋なら「日本一うまい」。今まで見た中で面白かったのは「遅い、まずい、無愛想」という店。通りすがりに見た看板ですが、あの店はまだ健在なのか、人事ながらときどき心配になります。
 八起堂は、どんな治療院でありたいか。それを考えてきました。痛みを取ること、気持ちよくなってもらうことはもちろん重要です。加えて、日々を前向きに生きる人の、力になりたいと思いました。
 開院三年を機に、この言葉を掲げてますます努力してゆきたいと思います。 
「歩き続けるあなたを応援します」

 また、すぐに修正するかもしれないですけど。

付記
「これ、どうだろう?」と、妻に尋ねました。
「いいんじゃない。治療院名の七転び八起きにもつながるし、娘の名前も入ってるし」
いや、決して娘の名前を踏まえたわけでは…。

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2008年3月 3日 (月)

治療院の季節感

 今年は雪の多い年でしたね。その冬もようやく終わりそうで、日差しが温かいです。暦の上ではもうすぐ啓蟄。虫たちが動き始める季節とされています。

・治療院の季節感
 私たちのような治療の仕事には季節は関係ない、と思われがちなのですが、やはり季節ごとの風物詩はあります。

 春の風物詩は「草取り腰痛」です。これから初夏にかけて、腰痛の患者さんが増えます。腰痛を訴える方に、
「何か、思い当たることはありますか?」
 こう尋ねると、半分以上は、こう答えられます。
「庭の草取りをしまして…」
 つまり、前かがみの仕事が続いたゆえの疲れが、腰痛になって現れるわけですね。ちょっと血行を良くして、ゆっくりすれば、比較的簡単に治る腰痛です。

 夏の風物詩は「孫腰痛」。特にお盆過ぎに多く発生します。
 遠くに住んでいる子供さん、お孫さんが、たまに帰ってくるときが危ないです。会わないでいる数ヶ月で、お孫さんの体重は急に増えています。そこを抱っこするものですから、腰にドシンときます。しかも、たまに会うお孫さんですから、抱っこをせがまれると断れません。ついつい無理をしてしまうわけですね。

 もっとも、この「孫腰痛」の方は、
「孫は来てよし、帰ってよし」
 などといいながら、どことなく楽しそうです。
 なお、この「孫腰痛」は、お正月にも多発します。

 秋は…。秋は、思い当たるような風物詩がありません。ばたばたしているうちに季節は変わります。

 冬の風物詩は「こむら返り」。ふくらはぎが痙攣する、あれです(こむら、は古い言葉でふくらはぎのことです)。もっとも、こむら返りが私たちの目の前で起こることは少ないので、あとで訴えを聞くだけですが。
 こむら返りが冬に多いのは、筋肉が寒さの刺激で痙攣を起こすためです。もう一つ、筋肉は使わないでいると、ちょっとした刺激で痙攣を起こしやすくなるのです。寒さで外に出られず、運動不足になるのも原因ではないかと思います。

・近況
 ところで、こんなことを書いている私も今、軽い腰痛を感じています。孫腰痛ならぬ、娘腰痛です。出張治療の時以外は自宅にいるので、子供をだっこする時間が増えます。
このところ、寝付くときには親の抱っこで歌を聞きながら眠る、という癖がついていて(しかも曲名の指定つき!)、本人は上機嫌で、両手を振り回して踊ったりして、なかなか寝なかったりします。長い時には一時間近く…。抱っこが腰にこたえます。この腰痛は、もうしばらく続きそうです。

 そういえば、花粉症の季節も始まりますね。私は20年来の花粉症で、いわばベテランの花粉症です。だから何だ、と言われると困りますが。

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2008年2月19日 (火)

老化は生活習慣病?

 大学生の頃、ゼミの担当教授は50代の教授でした。ところがこの教授、どう見ても30歳そこそこにしか見えなかったのです。どういう謎があるのか、みんなで噂したものです。
歳をとる、ということを医学的にいえば、細胞の分裂能力の低下による新陳代謝の不足、となります。骨や筋肉は弱くなりますし、皮膚をはじめ、全身の水分量は減少します。細胞レベルでこのような変化が起こることは事実ですが、それだけで老化を語ってはいけません。

1.老化は生活習慣と
 70歳でエベレストを登頂したプロスキーヤーの三浦雄一郎さん。筋肉の年齢は30歳代、骨密度は20歳代だったそうです。
人間の体力は、だいたい20歳、30歳くらいをピークにして、衰えていきます。このピークは、ほとんどの人で変わりません。ところが、そこからの低下の速度が違います。Nenrei

 右の図でわかるように、落ちる人ではあっという間にピークの数分の一になってしまいますが、落ちない人はほとんど下がりません。生活習慣によって、下がる速度には大きな個人差があるのです。大げさにいえば、老化そのものが生活習慣病だといっていいのです。
ちなみに、三浦さんは65歳までは家の裏山に登るのもつらいほど衰えていたとか。そこからわずか5年でエベレスト登山ができるところまでいけるのですから、何歳になっても取り返しがつくことがわかります。

2.紫外線を防ぐ
 筋肉や骨の話はよく言われているので、その他の話を。他に生活習慣が影響する老化に、紫外線の影響があります。紫外線は少量ならビタミンDの合成を助け、身体の抵抗力を増す働きがありますが、量が過ぎれば細胞を破壊し、老化を促進します。
 よく知られているものとして、皮膚があります。皮膚は紫外線を受ける量に比例して老化しますから、紫外線を避けるか避けないかで、外見がかなり変わってきます。いつまでも若い肌を保ちたい人は、日傘を使う、日焼け止めを塗るなど、気をつけたほうがいいでしょう。自ら日焼けサロンに行くなどもってのほかです。

 ほかに紫外線の影響をうける場所は、目です。老化が関係する眼の病気として、白内障や黄斑変性があります。白内障は眼の水晶体が白く濁って見えにくくなる病気、黄斑変性は、眼の奥の視細胞が集中しているところ(黄斑)の毛細血管が異常に増殖して、やはり眼が見えにくくなります。
 この二つの眼の病気に共通しているのも、紫外線です。これらの病気を防ぐには、眼に入る紫外線を減らすのが一番です。日差しの強いときにはサングラスをかける。メガネをかけている人は、レンズをUVカット加工のものにするなどすることが必要でしょう。

3.その他習慣
 食生活も、大事な生活習慣です。
 まだ完全に証明されたわけではありませんが、身体内の活性酸素を防ぐために、ビタミンCなどの抗酸化ビタミンが有効と言う説があります。新鮮な野菜や果物を取るのは必要でしょう。
 歳をとると、あっさりした食べ物が良い、と思われがちですが、実際には相当量のタンパク質が必要です。筋肉を維持するにも、内臓を強く保つにも、タンパク質が欠かせないからです。

4.ところで
 さて、最初に話に出た大学教授ですが、健康法として行っているのは真向法だけだということでした。これは主として股関節の柔軟性を高める健康法で、たった四つだけの運動で構成された、おそらく日本一簡単な健康法です(興味のある方は、インターネットか本屋で)。
 私の知る限り、この真向法をやっている人は、なぜかみんな年齢よりも若く見えます。股関節の柔軟性と、外見の若さには、きっと何か関連性があるとにらんでいるのですが…。

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2008年2月 8日 (金)

北風のマッサージ太陽のマッサージ

 「マッサージは強いほど効く」と誤解している方は、少なくありません。しかし実際には、強すぎるマッサージは百害あって一利なしです。強く押すことで逆にほぐれにくくなっていることもあるのです。

1.北風のマッサージ
 北風と太陽のたとえ話は、皆さんご存知のことと思います。太陽と北風が、どちらが旅人のマントを脱がせることが出来るかを競った、あの話です。
 北風が力ずくでマントを吹き飛ばそうとしたところ、旅人はマントを押さえて飛ばないようにしました。結局、温めて脱がせた太陽が勝ち、北風は負けてしまいます。
 マッサージも同じです。凝っている筋肉は緊張しているので、そこに力を加えれば対抗してさらに緊張してしまいます。それでも効果を出そうとして無理やり押せば、今度は細胞の柔らかい部分が押しつぶされてしまうのです。一時的には柔らかくなっても、つぶされた部分が腫れて、さらに凝りを感じることになります。

2.太陽のマッサージ
 マッサージの治療効果は、大きく分けて3つしかありません。一つは血行を改善すること。二つ目は、癒着した部分を緩め、ほどくこと。三つ目は、神経の過剰な働きを鎮め、緊張を緩和することです。

 血行を良くするのに必要なのは、強い力で押しつぶすことではなく、筋肉(あるいは皮下組織)を動かすことです。それには柔らかく、大きく動かすマッサージが効果的です。
 硬くなった筋肉にも、強い力は必要ありません。ご自分で揉むときには、強く押すかわりに、一箇所にかける時間を長くしてみてください。じっくり押さえていると、時間とともに、筋肉に手が沈みこんでいくのが感じられます。
 癒着した部分を緩め、ほぐす場合にも、力の強さは二の次です。この場合に必要なのは、癒着している場所を見極める的確さと、狙った場所に正確に力を伝える操作です。
 神経の働きを鎮める場合にいたっては、力の強さはかえって邪魔になります。首のコリなど、強い力では緩まないものが、軽い軽い刺激でスッと緩むことさえあります。

3.絶対にしないで欲しいことSenaka
 強いマッサージにもいろいろありますが、絶対にやめていただきたいことがあります。
 それは、背中や腰の疲れを取るために家族に踏んでもらうことです。強さを調整できず、体重がそのままかかるため、いためてしまうことが多いのです。また、間違って脇腹に近いところに乗ってしまうと、肋骨を折る恐れもあります。
 その代わりになる方法として、背中に枕を当てて寝転がる方法があります。安全で、気持ちの良いものです(あまり長い時間やりすぎるとやはり痛くなるので、このまま眠るのはやめてくださいね)。

 家族に踏んでもらって身体をいためた人は、私が直接みた方だけでも、一人や二人ではありません。くれぐれもご注意ください。家族に揉んでもらうときは、必ず手でお願いいたします。

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2008年1月19日 (土)

治療にもお国柄

 鍼灸や按摩は、もともと中国から伝わったものです(マッサージは西洋から入ってきたもの)。では、本家である中国と日本の鍼灸は似ているのか、というと、これがあまり似ていません。診断にも治療にも大きな違いがあります。

1.複雑な中国、シンプルな日本
 中国で行われている鍼灸(中国では漢方も含む)は、「中医学」としてまとめられています。その特徴は、とにかく複雑なことです。
 診断も、恐ろしく項目数の多い問診を行うのみならず、顔色から声、匂いまでを判断に用います。それを五行説、陰陽、表裏などの面から(内容は複雑なので説明は省きます)分析して、診断を行います。
 治療も複雑で、鍼を打つ場所だけでなく、刺した鍼をどのように動かすか、どのように配置するか、など、それぞれに何種類もの方法があります。
 
 日本で多く行われている経絡治療は、同じ思想背景を持ちながら、きわめてシンプルになっています。診断は手首の脈を中心に決定します。五行や陰陽も使いますが、ほとんどの場合は問題のある場所、行き過ぎているか、足りないか、が判断の基準になります。治療もそれほど多くの方法は用いません。
 中医学も経絡治療も、治す人は治すので、どちらが優れているということはありません。治療する人(場合によっては治療を受ける人)の好みですね。

2.治療にも国民性
 日本に最初に鍼灸が伝わったのは奈良時代とされていますが、その時期の日本の医学書、「医心方」にしてからが、すでにかなり簡略化されたものでした。この傾向は、昔からのもののようです。
考えてみれば、仏教も日本に入ってきてから簡略化されました。「南無阿弥陀仏」の念仏をひたすら唱える仏教などは、その簡略化の最たるものでしょう。そして、簡略化されることによって、爆発的に普及しています。

 何でも複雑にする中国人、何でも簡略化する日本人。人間の身体はどこでも共通。しかし、その人体の治療にまで、国民性は影響を与えているものなのですね。面白いものです。

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2008年1月 6日 (日)

あけましておめでとうございます

 旧年中のご愛顧を感謝いたしますとともに、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
 今回は、正月関連の話を二つほど。まあ、正月というには少し遅れましたが…。

1.御屠蘇の話
 御屠蘇は正月に欠かせないお酒となっていますね。御屠蘇を正月に飲むのは、唐の時代の中国で始まった習慣だとのこと。日本では、平安時代からだそうです(インターネット辞典、ウィキペディアより)。
 子供のころから変わった匂いのするものだなあ、と思っていましたが、これが単なる香料でなく、薬だと知ったのは、大人になってからです。
 「一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む薬酒」となっていますが、単におまじない的な要因で飲むのではありません。実は御屠蘇の原型「屠蘇散」は、胃の薬なのです。では、どうして胃の薬が、長寿に効くのか。これには、東洋医学の思想が背景にあります。

 東洋医学では、人間が持って生まれてくる「先天の気」と、後に外部から取り入れる「後天の気」が、健康に必要であると考えています。このうち、先天の気を司るのは「腎」(現代医学で言う腎臓とはことなります)。そして胃は、後天の気に関わるとされているのです。
 胃は、食べ物から気を取り入れる器官と考えられていました。つまり胃が丈夫なら、後天の気を十分に取り込める → したがって健康、ということになるのですね。この「胃が健康のもと」という思想は他の部分にも現れていて、鍼灸の診断である「脈診(手首の脈で全身の状態を見る)」でも、胃の気を重視します。胃の気が充実していると、治りが良いと考えるのです。また「奥の細道」にも出てくる足三里の灸。健康の灸として有名ですが、この足三里も、胃のツボです。
 よく「食欲があれば大丈夫」などといいますが、胃が基本という考えは、そのあたりから出たのかもしれません。
 
2.三日坊主のために
 「新年に新たな決意 → 三日で挫折」
 この挫折は、もはや永遠のパターンと言って良いでしょう。運動なんかもそうですね。毎日必ず1時間歩く、などという決意も、日がたつにつれて薄れてゆくもの。

 片付けの極意の一つに「ワンアクションの収納」というのがあるそうです。片付けの行動は、動作数が少ないほど、心理的な抵抗が少なくて、続けやすくなるというのです。
 例えば「棚に食器を置く」収納は「置く」というワンアクション。ところが、扉を開けて置く収納は「開ける」「置く」「閉める」という3アクションになります。
さらに、扉を開けて前のものをよけてから置く、となると「開ける」「よける」「置く」「戻す」「閉じる」の5アクションになってしまいます。アクション数が多くなると、面倒くさくなって続きません。よく使う食器をワンアクションで収納できるようにすることが、長続きのコツだといいます。
 運動も同じです。ウォーキングの場合「帰宅して」「着替えてから」「出かける」となると、3アクションになって、心理的な抵抗が大きくなってしまいます。そこで帰宅途中で回り道するか、せめて着替えないで出かけるようにしたほうが、続きやすいといえます。

 そのほか「ノルマを決めない」というのも有効です。
 ウォーキングで言えば「一時間歩く」と決めると、空き時間が一時間ないときには「時間がないからやめよう」という方向に傾きがちです。そこで単に「一日一度は歩く」と決めておくほうが、続きやすいというのです。

 では私自身はどうか、というと、以前この通信で書いた「なわとび5分」も三日坊主になってしまいました。現在は、家のテレビの前に運動の道具を置いています。出かける必要もなく、もちろん着替える必要もなく、「ながら」で出来るので、これだけは続いています。

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2007年12月27日 (木)

胚芽米が美味しい時代

 江戸時代に「江戸わずらい」という病気がありました。手足に力が入らなくなり、手足の感覚が鈍くなってしびれてきます。やがては全身にむくみが生じ、心不全を起こして死に至ります。いわゆる「脚気」です。
 現在では、脚気がビタミンB1の不足で起こっていたことがわかっています。ビタミンB1は米や麦の胚芽や、豚肉などに多く含まれています。当時の都会である江戸では、胚芽のない白米を食べていましたし、仏教の影響で肉類も食べませんでしたので、脚気が広がったのです。「白米は玄米や分搗き米(今で言う胚芽米)よりも美味しかったため、白米を食べる習慣が広がった」という説明がなされています。

 たしかに学生の頃、初めて食べた胚芽米はヌカ臭く、とても美味しいとはいえないものでした。その気持ちが変わったのは、最近のことです。
「家庭用の精米機って知ってます? 精米したてのお米は、味がちがいますよ」
 と患者さんに勧められ、好奇心にまかせて精米機を買いこみました。白米を作って炊くと、たしかに一味ちがう美味しさでした。
 そこで好奇心ついでに胚芽米を作ってみたら、昔食べた胚芽米と味が違うのです。甘味があり、歯ごたえがあって、むしろ白米よりも美味しいくらい。

 昔食べた胚芽米と、今の胚芽米の差。実は「精米したて」がポイントなのです。米のヌカには油脂分が多く含まれていますから、精米してから時間がたつと、酸化して嫌な匂いが出てくるのです。江戸時代はもちろん、つい最近まで、米は米屋でまとめて精米するものでした。それを保存して食べるわけですから、胚芽米では酸化がひどくて食べられたものではありません。そこでヌカ分をきれいに落とした白米食がひろがったのでしょう。

 今は家庭用精米機のおかげで、歴史上初めて、美味しい胚芽米が食べられる時代なのです。

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2007年12月19日 (水)

視力と肩こり

 数日間、頭痛が続いていました。じわじわと始まり、少しずつ強くなる頭痛…。

1.緊張性頭痛
 痛みの感じから、いわゆる「緊張性頭痛」だということはわかりました。緊張性頭痛というのは要するに、肩こり、首こりによる頭痛です。
 頭には筋肉はほとんどありませんが(正確には噛筋や表情筋といった筋肉の端っこが少々)、帽状腱膜という膜に覆われています。首こりや肩こりがひどいと、この膜が引っ張られて頭が締め付けられ、痛むのです。孫悟空の頭の輪に似ていますね。

2.さて、私の頭痛ですが
 このような頭痛を起こすことは今までにも何度かありました。しかしたいていは前かがみの作業が長く続いて、首が疲れたときで、今回には当てはまりません。
 頭痛が始まったときにしていたこと…、そういえば、貯まっていた新聞をまとめて読んだなあ、と思ったときに気付きました。
「目だ!」

3.目の疲れと肩こり
 目の疲れが肩こりにつながることは少なくありません。患者さんでも、パソコンをよく使う方などによく見られます。特徴としては、首の横にある筋肉が凝ってくることと、頭痛につながりやすいこと。
 よく発生するのは、左右の視力に極端な差があるときと、メガネの矯正度が強すぎて「見えすぎる」ときです。強い矯正にあわせようとして、目の筋肉が緊張するために、首や肩の緊張を招いて、コリになります。

 視力の問題が肩こりにつながることは知っていたのに、自分のことには気付かないものです。新聞の読みすぎにしては緊張が強いので、翌日眼科医へ。視力測定で、左右の矯正視力が違っていることがわかりました。しかも。

「メガネは弱めに作ってあったんですか。えーと、今は矯正視力で1.5ありますから、かなり度が強くなってますね。見えすぎるでしょう?」と眼科医。

メガネの度が強くなっているって?

「まあ30代も後半になりますと、目の調整力も少しずつ弱くなってきますから、だんだん遠視気味になってくるんです。老眼と言うと言葉が悪いのですが…」

 要するに、老眼だそうです…。
 皆さんも、急に肩こり・頭痛がひどくなったときにはご注意ください。

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2007年12月 2日 (日)

薄着と厚着

 冬になると寒さが身に染みます。この季節になると迷うのが、厚着をするか薄着をするかという問題です。昔はよく「薄着が健康のもと」といわれたものですが、厚着には厚着の、薄着には薄着のよさがあります。

1. 薄着の力
 薄着が健康のもとと言われるのは、自律神経を鍛えることができるからです。自律神経は環境に対応して、意識しなくても体温を上げたり、血流を調整したりする働きがあります。まるでエアコンの自動制御のような、非常に便利な機能です。
 ところがこの自律神経、他の器官と同じように、使わないと少しずつ衰えてしまいます。ある程度、環境の変化に対応しているほうが、身体の調整能力は保たれて良いのです。とくに子供のときに鍛えるのが良いとされています。
 薄着のときには、温度変化がすぐに身体に影響します。そこで自律神経が鍛えられ、身体の適応能力を上げることになります。

 もう一つ、これは個人的な推論なのですが、薄着はメタボリックシンドロームの予防になる可能性があります。
メタボリックシンドロームは「高血圧、高血糖、高脂血症」の三つのうち、二つ以上が該当する状態です。原因の一つが内臓脂肪であることはご存知の通りです。あとは、どうやって内臓脂肪を減らすかです。
 
 少し前のことですが、南極越冬隊の装備品に「南極ビスケット」なる携帯食料があったそうです。驚くのはその成分で、なんと脂肪が重量の45%を占めているのです。日本で試食した時には、ほとんどの人が油あたりで気分が悪くなってしまったとのこと。ところが南極では美味しく食べられたというのです。
 南極のような寒いところでは、身体はどんどん脂肪を燃焼させて体温を上げようとします。いくら南極ビスケットの脂肪分が高くても、すぐに使い切ってしまうので平気で食べられるというわけです。南極には及ばないにせよ、薄着でいれば体温を上げるためにどんどん内臓脂肪を使うことは間違いありません。

 ただ、誤解を生じないように書いておきますが、ダイエットに使うのは難しいと思います。寒さはたしかに脂肪の燃焼を促進しますが、同時に食欲を増加させ、皮下脂肪を増やすようにも働くからです。皮下脂肪は内臓脂肪のように悪さはしませんから、多少増えても健康上は問題ないのですが…。
 もちろん食べる量を増やさないでいられれば、脂肪が燃焼した分は痩せるのが早まるはず。興味のある方は、試してみるのも面白いと思います。

 なお、すでに血圧の高い人、心臓に問題のある人には、急激な温度変化が危険をもたらす可能性もありますので、薄着はおすすめできません。
 肩こりの強い人も、より凝る可能性があるので、あまりおすすめしません。

2.厚着の意味
 厚着の価値は、体温の急激な変化から身体を守ってくれることにあります。前の項目で薄着をおすすめしなかった方、血圧の高い方や心臓に問題のある方には、これが役立つのです。
 脳溢血、心臓発作などの症状は、温度変化によって誘発されることがあります。温かいところから急激に寒いところに行くと、寒さに対応しようとした血管が収縮し、血圧が一気に上昇するのです。
 厚着をしていると、温度変化の影響がゆるやかになります。その分、血圧の急な変化もなく、危険が少なくなるというわけです。

 もう一つ、冷え性の人にも厚着は有効です。
 冷え性は、体内の熱が足りないときに起こることが知られています。寒いとき、内臓や脳の温度を保つために、手足への血流を減らしているから冷えるのです。
 そこで厚着をして体温を逃がさないようにし、熱を余らせてやると手足にまで血液がめぐって冷えが治まります。
 なお、冷え性には風呂上りに手足に水をかける刺激療法も有効です。

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2007年11月21日 (水)

寝違えのウラ技

 朝起きた時に、首が回らなくなっている。ムリして回すと、痛みが出る。これが、いわゆる寝違えです。
 寝違えはほうっておいても数日で治るものですが、せめて痛みは軽くしたいもの。痛みを軽減する簡単なウラ技をご紹介します。

1.手順Netigae
 痛むのは、たいてい片側ですね。痛む側、肩の後ろで、背骨から指の幅三本分くらい離れたところに手をかけて、前へ向かって引っ張る。
 引っ張ったまま、思い切り息を吸い込み、ついで思い切り吐く。これを2,3回繰り返します。これで終了。
 普通の寝違えなら、これだけで痛みが半減しているはずです。

2.説明
 これは何をしているのかというと、肋骨を動かして、首の筋肉を緩めているのです。
 寝違えのときには、首の筋肉がひどく緊張しています。首の筋肉を直接揉んでもいいのですが、揉むとかなり痛みが強いものです。
 そこで、背骨と肋骨とのつなぎ目を手で押さえ、深呼吸で肋骨を動かしてやります。専門的な説明は省きますが、この動きが、肋骨周辺を柔らかくします。首の筋肉は多くが肋骨と関わっていますので、筋肉の緊張も解け、痛みが減ると言うわけです(専門的な内容に興味のある方は、右のカテゴリー「治療技術論」の2005年11月5日、「AKAの治効理論④」を参照してください)。

 寝違えで治療院にこられる患者さんにも、最初に行う治療です。これで痛みを減らしたあと、全身の調整を行います。寝違えは、首の問題と言うよりも、全身の歪み・緊張が首に現れるもののようで、手、肩、背中など広い範囲からの治療が望ましいです。

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