TAM手技療法による仙腸関節の調整
先日、リンクにもある洛陽健康倶楽部において、TAM手技療法の講習会を行った。テキストはこのブログをベースにして作成したが、その際、仙腸関節調整についてブログで発表してなかったことに気がついた。遅ればせながら、仙腸関節に対するTAM治療について掲載する。
治療を行うに当たっては、構造・動きについて、それなりのイメージがなければならない。しかし仙腸関節は、未だにどのような運動を行うのか定説のない、不思議な関節である。運動範囲が小さく測定しづらいこと、身体の深い部分にあることなどが、その原因である。
AKAの本では仙腸関節を平面関節であると考えているようだ。しかし、骨格標本を見ればわかるが、仙腸関節は決して平面ではない。仙骨側に凹、腸骨側が凸になっているのがわかる。
私は関節面の構造と、筋肉のつき方から「仙腸関節は、骨盤を運動させる軸となるもの」と考えている。右図にあるように、骨盤を開閉させ(上下に動かして)、ショックアブソーバーとしてはたらいたり、姿勢を変える補助的な動きをしているものと考えている。
また仙腸関節の前側は逆ハの字型をしており体重を支えるのに適した構造になっているが、後ろ側はほぼ並行になって、重量を支える形をしてない。体重はほとんど前側で支え、後半は比較的自由に動くことで、前屈・後屈時の前後運動の補助もしていると考えられる。
仙腸関節においても、緊張を与えながら動かして組織の伸展、癒着の開放を狙うという点では変わらない。仙腸関節のTAMは、骨盤の開閉の動きと、仙腸関節で起こる回旋の、二つの動きを組み合わせて用いる。
・手技
患者は側臥位。右側を上にした側臥位なら、術者の左手を仙骨に当て、右手を上前腸骨棘にあてる。右手を患者から見ての後下方へ引き、骨盤上口が開くように操作する。そのまま骨盤を患者にとっての前屈、後屈となるように回転させ、仙腸関節に軸回旋を起こさせる。
ついで上前腸骨棘を患者から見た前上方へ押し、骨盤上口が閉じるように操作する。そのまま骨盤を前屈・後屈になるよう回転させ、仙腸関節に軸回旋を起こさせる。
患者の下肢を持ち股関節の内旋、外旋をつかって骨盤の開閉を行う方法もある。ただし、患者の身体が不安定になるので、わずかな動きが痛みを引き起こす患者には使用しないほうが良い。
AKAでは仙腸関節の滑りにより、かえって痛みが増すことがあったが、この「骨盤開き・軸回旋」の組み合わせ運動では、まだ一例も悪化例を体験していない。これは、仙腸関節が凹凸と考える構造モデルの正しさを、間接的に証明するものと考えている。
付記
①AKA的には腸骨を凸すべりさせたいところだが、よほどの困難例でなければ、開閉だけで改善が見られる。運動範囲が狭く、すべる距離が短いからかもしれない。
②骨盤を開く・閉じる動作をゆっくりと行うだけでも仙腸関節の運動は多少改善する。最初はこちらから始めることをお勧めする。
③「骨盤を前屈・後屈になるよう回転させ、仙腸関節に軸回旋を起こさせる」の動作が難しければ、患者に腹式の深呼吸をしてもらうことで代用できる。
| 固定リンク





コメント
TAMってなんの略ですか?
つまりは、仙腸関節はユニバーサルジョイントってことでしょうか?
質問責めですいません。Sというわけではありませんので、あしからず。
投稿: 日本酒好き南区民 | 2008年12月24日 (水) 11時30分
TAMはテンション アンド モーションの略です。
私は身体の不調の原因の一つが、組織の癒着にあると考えています。
組織に緊張をかけながら運動させると、癒着が取れて症状の改善が見られます。そこで、緊張を伴う運動、と言うことで、テンションアンドモーション治療と名づけました。私が創案した言葉なので、どこを見ても書いてないと思います。詳しくは、カテゴリーの治療技術論で。
仙腸関節については、骨盤というショックアブソーバーの継ぎ手、および重心位置の調整と両方の意味があると考えています。蝶番運動と、回転運動を兼ねており、調整の働きもあるので、ユニバーサルジョイントといってもいいと思います。詳しくは、今度飲みながら。
投稿: 八起堂 | 2009年1月 3日 (土) 21時27分