腰はねじれない
スポーツで「腰をねじって」と言われることがあります。ところが、あまり知られていない事実があるのです。
腰は、ねじれません。
1.ねじれない構造
右の図は腰の骨、腰椎の簡略図です。
背骨の構造は、骨と椎間板(クッション)を交互に積み重ねた構造になっています。それだけだと不安定なので、後(背中側)に、上下の骨が支えあうための突起が出ています(椎間関節)。
拡大図を見るとわかるのですが、上の突起を下の突起が挟み込むようにできています。上下には動けますが、ぶつかってしまうので左右には動けません。
つまり前後左右に曲げることはできても、回転させることができないのです。
ですから「腰をねじるのだ」と思い込んで無理に腰をねじっても、回りません。骨や筋肉に負荷がかかるだけです。
それどころか、無理に回せば骨の突起部が骨折してしまうことさえあります(いわゆる脊椎分離症)。
2.背中の骨は回る。肩も。
「いや、腰ねじってるよ、ほら!」
と言う方もいるとは思いますが…。
胴体で、ねじれることが可能なのは胸・背中の部分だけです。背骨のこの部分(胸椎といいます)は、突起が斜めについているのでぶつからず、横に動くことができるのです。
また、肩の骨(肩甲骨)は、鎖骨を中心として大きく左右に動かせます。
つまり、ねじれているのは背中の上の部分と、肩だということです。
ではなぜ「腰をねじっている」と感じるのか。
胸・背中がねじれると、胸椎についている肋骨が横に移動します。するとお腹の皮膚や筋肉が肋骨の移動に引っ張られるので、腰がねじれているように感じるわけです。
ということで、実際にスポーツなどで「腰をねじる」場合には、「みぞおちの高さでねじり、腹筋と腹圧で力を溜める」気持ちでやるほうが、解剖学的には良いことになります。見た目はほとんど同じ。意識の持ち方の問題ですね。
3.余談ながら
ねじりを腹筋、腹圧で受け止めると言うことは、筋力や腹圧しだいでねじれの反発が違ってくるということですね。ためしに身体をねじった状態で、強く息を噴き出すと、ねじれが押戻されます。
武道で大きな声で気合を入れるのは、呼吸の圧力で胸椎のねじりを押戻し、力を出す意味もあるかもしれません。
もう一つ余談ですが…
自宅にかかってくる電話の中には、怪しい投資話もあります。
株式投資とか、金地金の投資だとか、土地の投資だとか。このあたりまでは、怪しいけれども、詐欺とまでは断言できない電話です。もちろん、お金を出したりはしませんけど。
しかし、先日かかってきた電話は、あからさまに詐欺の電話でした。
「池浦さんのお宅ですか?」
「はい」
「実はいい投資があるんですよ。年利6%の債券なんですけどね」
「はあ」
「アフリカ政府公認の債券なんですよ」
「…いりません」ガチャ(切)
「アフリカ政府って、なんだよ!」
とは、あえてツッコミませんでした。
手はツッコミの形に動いてましたけど。
若い女性の声でしたが、もしかしてこれも、学力低下の表れ?
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