腰はあんまり曲がらない
前回、腰の骨はねじれるようにできていない、と言う話をしましたが、今回はその続き。
小中学生のころ、体力測定で「立位体前屈」をやらされましたよね。立ったまま前に体を曲げて、手がどこまで届くか調べるテスト。苦手でしたね。手が床に付くことがなかったですから(今は付きます。小学生のときより体が柔らかい不思議)。
当時、腰を曲げるテストだと思ってましたが、違うようです。
背骨は、骨と椎間板(クッション)を交互に積み重ねた構造になっています。その背骨が曲がるときには、右の図のように椎間板の弾力で曲がっています。つまり曲がるのは椎間板の弾力分だけ。
手足の関節など、動く構造がきっちり作られている部分と比べると、大きく曲げるのに向いていないことがわかります。
それどころか、弾力の範囲を超えて無理に曲げると、椎間板を痛めるおそれもあります。
2.骨盤を動かせ!
本当は、身体を前に曲げるのは股関節の役目です。
具体的に言うと、太ももの外側にぽっかり出ている丸い部分。このでっぱりの位置に股関節がありますので、これを支点に、骨盤ごと前に傾けるのが、正しい前かがみのやり方です。
右の図は、先ほどの立位体前屈をしているところです。頭の高さは両方とも変わりませんが、左側のほうが、腰骨の曲がりが大きいのがわかります。骨盤が水平なため、背骨を大きく曲げるしかなかったのです。
右のほうは、股関節で身体を折り、骨盤を前に傾けた状態。骨盤が前に傾いているので、背骨があまり曲がらなくても、頭が下がります。
股関節で曲げる、と言うと難しそうですが、お尻をちょっと押し出すつもりでやると、自然に骨盤が傾き、楽に曲がります。
試しに立位体前屈をやってみてください。これを意識するだけで数センチ違ってきますよ。
横に曲げるときも、同じです。
曲げる方向と反対側に、ちょっとお尻を押し出すようにすると、骨盤が傾き楽に曲がります。
4.身体の動かし方でケガをすることも
これまで「腰痛の最大の原因は前かがみの姿勢です」と言っていましたが、この通信を書いていて、それだけではないなあ、と実感しました。椎間板や腰椎などを傷める背景には、構造が知られていないゆえの無理な使い方もあるようです。
憶えていたほうが良い身体の構造、今後も時々お知らせしようと思います。
私事ながら
骨の構造については、私自身も失敗しています。
まだ会社員だったころ、肩が疲れたなあ、と思って背中と腕を強くストレッチしたとたん。
ゴキッと音がして、肩の関節がズレた感じがしました。痛みは無いし、動くのですが、なんとなくダランとのびた感じがします。
「これは、関節が外れたかなあ」と思ったのですが、どんな病院にいけばよいかもわかりません。「押せば何とかなるだろう」と、素人の生兵法で横から押し込んでみたところ…。
ゴキッ。
全然関係ない鎖骨のあたりで音がして、急に痛み出しました。それからかなり長く、違和感が残りましたね。
この仕事に入って肩関節を勉強した時、初めて自分のやったミスがわかりました。
詳しくは書きませんが、あえてたとえればスライド式の戸を押し開けようとしたような…。
何事にも知識は必要なものです。
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