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2015年6月11日 (木)

腰痛の治し方 ~「習慣性緊張仮説」から

 私が治療を始めた十数年前は、腰痛の患者さんが治るまでに、2,3回は治療したものです。しかし最近は、かなりの患者さんの痛みが、一回で改善するようになってきました。
 
 もちろん経験の長さもあると思うのですが、大きな理由は、腰痛の原因を「習慣性緊張」と考えるようになったことです。
 
●腰痛は「抜けない緊張」
 
 「習慣的緊張仮説」については以前も書きました。
 脳は、エネルギー消費を節約するため、筋肉のオン・オフ操作を省略する傾向がある。そのため緊張させることの多い筋肉は、緊張したままになりやすい、という仮説です。
 
 いつも前かがみでいるなど、筋肉を長く緊張させていると、緊張が習慣になり、脱力できなくなります。緊張したままの筋肉は血行が妨げられ、やがて痛みが出ます。痛むことによって緊張が進行、ますます痛むという悪いサイクルの繰り返し。それが習慣的緊張仮説による腰痛の説明です。
 
 治療は、緊張をゆるめてやること。筋肉と神経をリセットし、動きを取り戻します。
 
 この治療は、とくに慢性の腰痛によく当てはまるようですが、急性腰痛(ぎっくり腰)も緊張から出た痙攣と考え、同様の治療を行っています。
 
●治療の方法
 
 腰痛を起こしている方の腰椎は、5個の椎体と仙骨が一本の棒のように固まっています。椎体間を結んでいる筋肉が緊張しすぎて、動けないのです。
 
 そこで、鍼やマッサージで、腰周辺の筋肉を徹底的に緩めます。
 強すぎる刺激は、緊張を増す原因となるので、強い圧迫や揉捏は逆効果(ブログの「指圧は強すぎると効かない」を参照)。筋肉の隙間から組織をほどく方法を用います。
 
 ついで、掌で圧迫しながら腰椎を操作し、個々の腰椎間の緊張をゆるめ、動きを取り戻してやります。
 
 重要なのは「腰椎の柔軟性を取り戻す」こと。
 一本の棒のようになっていた腰椎~仙骨が、それぞれに動くようになれば、腰全体に弾力が出てきます。腰椎間の動きが回復する頃には、ほとんどの痛みがとれています。
 
 もちろん、仙腸関節・股関節・膝・足関節の調整も忘れません。
 
 全ての腰痛が習慣性緊張によるものではありません。
 ただ、原因についての考察を増やすと、治療の選択肢も増えます。一つの選択肢として、記憶にとどめておいて損はないでしょう。
 

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